道楽者なので飲みたいと思いたったら我慢できない。あちこちのワインショップをのぞいて予算(3000円)内で買えるバローロを探し歩いて割引クーポンと貯まっていたポイントをはたいてなんとか手に入れたのが「バローロ・リゼルヴァ・コルダーナ2008」。期待が大きすぎたのかな?
ワインに詳しくないがバローロというイタリアのワインが美味しいと名前くらいは知っていた。オッチェッリ・アル・バローロというチーズで、ワインを飲む前にバローロワインの搾りかすを味わった。搾りかすの苦みの強さから重口のどっしりとしたワインを想像した。それでなくてもバローロという名前にはなんだか重厚な印象がある。ブドウの品種はネッビオーロ。これまたなんだが王様みたいなビジュアルを連想させる名前である。
法定熟成期間を軽く超える84ヶ月以上のバローロリゼルヴァは「滑らかなタンニンと旨味溢れる上質の果実味」を味わえると説明されていた。生産者はバローロ最大級の生産者協同組合テッレ・デル・バローロ。安定した品質と驚くほどのコストパフォーマンスでワイン愛好家に圧倒的な支持を集めていると書かれている。グラスに注いでみると想像よりも色は薄めのレンガ色。この色合いはネッビオーロの特徴らしい。ワインの香りをうまく表現する能力も知識も持ってないが、香りが豊かなワインだってことは分かった。
飲んでみると……あれ?っとなる。勝手な妄想でどっしり重厚な味だと思い込んでいたのが、酸味が強く、タンニンはすごく強いという感じではない。でっぷり肥ったイタリア風の濃い顔つきのバローロ王を想像していたのだが、以外と薄味で細身の王様だったって感じ。美味しくないわけではないが想像とは違った。バローロの良さを味わいたければもう少し予算アップが必要なのかな?と考えていたが、どうやらこのバローロは抜栓して少なくとも一晩、三日くらい置いておくと酸味が落ちついて美味しくなるんだそうだ。魚のように熟成させる必要があるワインがあるってことを初めて知った。もう1本買ってこようかな。
著者: へた釣り