マリアージュなんて洒落た物はよく分からないが、一緒に飲んで食べて美味しいお酒と食べ物なら自分なりの好みはある。チーズやワインの道楽を始めると白ワインを合わせるなら…って風な情報に出会う。探究心だけは旺盛なオタクなので自分でも試してみたくなる。ミルク酒に挑戦。
マリアージュを考えるときの基本は産地が同じ、素材が同じ、味の特徴が似ている、あるいは味わいがかけ離れているであるい、色が似ているなどから考えるのがアプローチ方法として正しいらしい。ちょっと変わったお酒を取りそろえている酒屋さんをのぞいて見つけたのがミルク酒なる焼酎。中標津で作られているようで、原材料はミルクホエー、麦とある。チーズを作る際に抜け出た水分がホエーで、乳糖を含む。ミルク酒はホエー(乳糖)と麦を発酵・蒸留して作られた焼酎だ。
冷蔵庫で冷やしてストレートで飲んでみると、口当たりがよくほとんどクセらしいクセを感じない。アルコールの刺激が収まり、嚥下しようとすると、ミルク由来のほのかで優しい甘みがパッと広がる。熟成の浅いチーズの味に似ている。素材が同じ、味が似ているというマリアージュの要件を満たす。北海道産チーズなら産地も同じになる。この組み合わせならうまく行くような気がする。
実際、うまくいった。特に塩味が強めのブルーチーズとの相性が良かったように感じる。ブルーチーズの塩味をミルク酒の甘みが引き立てもするし、緩和もしてくれる。ミルク酒の欠点はその味わいがあまりにもほのかであることかもしれない。お湯や水で割るときに定番の割り方である5:5だと少し物足りなくなる。アルコール度数は25度あるが、できれば冷蔵庫で冷やしてストレートかロックで飲みたい。
著者: へた釣り