こういうことを書くと分かってないと叱られそうだが、ゴーダは外れないけど当たらないチーズだとずっと思っていた。少し前に3年熟成したゴーダを食べてようやく考えを改めたばかりだったのに、今度はこれって本当に国産のゴーダなの?と驚くしかない激旨の「酪佳」に出会って感動した。
江戸時代から交易のあったオランダからもたらされたゴーダが、日本で最初に食べられた西洋チーズだったとされている。明治になり酪農やチーズ作りが行われるようになってもチーズといえばゴーダであったようだ。平成の世になっても多くの国内チーズ工房でゴーダは作られている。歴史があり日本人の口に慣れたチーズといえばゴーダになっており、日本ではナチュラルチーズよりも消費量が多いプロセスチーズのベースはゴーダに似た味になっていると聞いたことがある。
ゴーダはオランダの物も国産の物も何種類も食べたが、食べ慣れた、特筆すべき特徴がないチーズという認識になってしまっていた。その考えを改めさせてくれたのが「ゴーダ3年熟成・ゴールドスター」だった。熟成されたことによってミルクの旨味が凝縮し、キャラメルのようなコクのある甘みになっていた。香りも豊かでコンテやパルミジャーノに負けてない美味しさであった。
今度は国産のゴーダに対する認識を改めなくてはならない。さらべつチーズ工房の酪佳は12カ月以上熟成されたゴーダなのだが、よくある国産ゴーダとは全くの別物になっている。ねっとりとしたセミハードな生地は口の中に留めておくと飴を舐めているような甘みが感じられる。舐めているのはママの味のミルキーではなくもっと濃厚なバター飴のようなと書くと伝わる? 香りも複雑でいい感じ。薄くスライスしてサラダに乗せたりするのもありかも。
著者: へた釣り