ワインが典型的にそうだが、錚々たる受賞歴が謳われているからといって美味しいとは限らない。むしろ金賞なのにこんなもん!?ってことの方が多いような……。納豆も全国納豆鑑評会で毎年受賞作が増えてくが…好みに合う納豆は少ない。「つるの子大豆納豆」が久しぶりに美味かった。
未知の納豆を求めて、知らない納豆があれば買って食べてみるという納豆道楽を続けてはいるが、自分好みの味を模索し、新しい味との出会いを楽しめていた道楽初期ほどにはこれは美味い!!という納豆が見つからなくなってきている。久しぶりに出会えた、これは美味い!!な納豆が北海道の豆蔵というメーカーのつるの子大豆納豆。第17回全国納豆鑑評会(2012年)で最優秀賞を受賞した納豆だ。
大粒で煮豆にするのに適した鶴の子大豆を使った納豆はこれまでにもいくつも食べてきたが、つるの子大豆納豆はその中でも硬めに煮られており、大豆を一粒一粒味わってほしいという作り手側の意志を感じる。大粒なので混ぜるというより納豆の粘りでくっついた大豆ほぐしていくようにして掻き混ぜると強めの粘りが出始める。少々乱暴に混ぜても豆が崩れることはない。タレはかつおの風味がきいている少し甘めの物。納豆の糸をほどよく伸ばして大豆の表面に絡んでくれる。2、3粒ずつ口に運んで大豆の優しい甘みをじっくり楽しみたい納豆だった。苦みはほとんど感じない。
著者: へた釣り