チーズを美味しく食べるためのワイン道楽だが、そういう目的にちょうどいいお店を白金で見つけた。1000円~2500円くらいのワインを扱うサンク・センスというワインショップ。店員さんに「チーズを美味しく食べたい」という目的を告げてワインを選んでもらえる。ワイン選びの勉強になる。
チーズでもフェルミエ渋谷店の店員さんからチーズについての解説を聞きながらどれを買おうか、食べようかと選ぶのが楽しかった。ワインに関してもサンク・センスが同じような道案内役を担ってくれるかもと期待していたりする。「おいしいワインが毎日飲みたい」というコンセプトのお店で1500円前後のワインを中心に扱っている。今回選んでもらったのはアルゼンチン産の「アンデルナ・シャルドネ 2015」というワイン。シャルドネらしいすっきりキリリとした飲み口だった。1本ごとにワインの特徴を書いたメモを付けてくれるのがうれしい。「トロピカルフルーツとヴァニラの香りのあるボリューム溢れる白ワイン」と書いていある。今はまだなんのこっちゃって感じだが、そのうち分かるようになるといいなぁ~。2回目からはこのメモを持って行き、感想を告げると好みのワインを探す手がかりにもなるんだという。楽しみ♪
ワイン選びの際に店員さんを困らせたのがチーズの種類を1つに絞れないこと。いろんな種類のチーズを毎週7種類ずつ楽しんでいるのでこの種類のチーズと合わせたいと決めにくい。次からはメインのチーズを1つ決めて、そのチーズと合わせたいと説明できるようにして行こう。今回だとサレールの濃厚な味を受け止められるワインってどんなワインかを知りたかったかも。
1.シュロップシャー・ブルー
イギリス 牛乳 青カビ
黄色の生地に大理石様に広がる青カビなのでスティルトン系のモダンイブリティッシュチーズだ。この手のチーズはスティルトンよりクセ物感が控えめになっていて食べやすくなっていることが多いが予想通りの味だった。少し水分が多めの生地は甘く力強い。塩味は少し抑えめで青カビの刺激はほどよい感じでマイルド。
2.サント・モール・ド・トゥーレーヌ
フランス 山羊乳 シェーブル
少し太さが違う棒状のチーズでその中央には藁の棒が一本通っている。表面には木炭の粉がかかっている。山羊乳だし、表面は薄汚いしでちょっと手を出しにくい印象だが、シェーブルチーズ入門に最適。山羊乳らしいライトなミルク感とヨーグルトのようなさわやかな酸味を味わえる。木炭の粉は食用なので食べてももちろん問題なし。
3.モルビエ・レクリュ
フランス 牛乳 セミハード・ハード
コンテを作るときに余ったミルクで生産者が自分で食べる用に作っていたチーズ。鍋に残ったミルクを虫から守るために煤を振りかけておいた名残が生地中央のラインだ。鍋に付いた煤ではなく食べられる炭が現在は使われている。コンテほど複雑な味わいはないがミルクの甘みが感じられるシンプルだけど美味しいチーズだ。
4.マロワル・ソルベ
フランス 牛乳 ウォッシュ
フランス北部のベルギーとの国境近くで千年以上前から作られている修道院製のチーズだ。殺菌乳に赤い酵素を添加して作られる。丁寧に塩水で現れた表皮からは強烈な香りがするようになり、ベタ付いた表皮とこの香りだけで苦手な人は顔をしかめるかも。表皮を剥げば濃厚でミルキーな味わい。少し塩味が強い系かな?
5.サレール
フランス 牛乳 セミハード・ハード
カンタルと同じ地方、同じ製法で作られているが、製造時期は4月15日から11月15日までで原料となる牛乳は無殺菌でと決まっているのがサレールだ。非常に硬くフォークを立てるとパサパサと崩れる。塩味がやや強くナッティな苦みをまず感じるが少し遅れてミルクの濃厚なコクと甘み、フリュイテな香りが口の中に満ちる。
6.トム・ドーベルニュ
フランス 牛乳 セミハード・ハード
オーヴェルニュ地方で作られた山のチーズで地元の人が好んで食べるチーズの1つのようだ。脂肪分は少なめで素朴な味わいだが、モチッとした生地を口の中に入れると鼻から濃厚なミルクの香りが抜けて行く。原料となっている牛乳の素晴らしさが分かる。表皮は自然の白カビに覆われているが硬いので取り除いて食べよう。
7.コンテス・ドゥ・ヴィッシー
フランス 牛乳 白カビ
美味しい水の産地として有名なヴィッシーという町で作られる白カビチーズで、エピセアの樹皮で囲まれた上に白カビの表皮がある。無殺菌乳にクリームを追加して作られた生地だが、くどさはなくすっきりとした味わいでまろやかなミルクの風味とそれを引き立てるほどよい塩分を楽しめる。白カビの表皮にもクセはなく食べやすい。
著者: へた釣り