釣りをする。血抜きをし丁寧に〆た魚を食べ慣れているので滅多なことでは、外食先で食べた魚が美味いとは思わないのだが、久々に大ヒットなお店を発見した。魚専門居酒屋ころすけは釣果に恵まれなかった日に美味しい魚を求めて行っちゃいそう。そう思ったのはきいもん以来のことだ。
恵比寿駅東口から裏恵比寿の通りを抜けて白金方面に向かう。博多もつ鍋の蟻月やトシ・ヨロイヅカのある通りにころすけはある。魚専門居酒屋というくらいだから気どってはいないが、それでも居酒屋というよりは割烹といった方がふさわしいかもしれない。夜のメニューで面白そうなのは「ころすけのお刺身」。お刺身がコース仕立てになっており、一皿目はお醤油で二皿目はオリジナルのソースで三皿目は蒸しアワビを肝ソースで食べさせてくれる。ほかにも真鯛のカマと大根の塩煮、卵サラダと毛ガニが合体した毛蟹サラダなど気になるメニューが結構ある。お値段はいずれも1000円前後と少し高めの居酒屋価格だ。お酒は日本酒を中心にマニアックな銘柄がそろっている。日本酒は少し高めだ。
ランチは鯛ごはんがレギュラーでほかのメニューは仕入れの状況によって変わる。この日は黒ムツ、トロアジ、銀カレイとあったが、脂が乗ってそうな黒ムツ山椒正油焼を頼んだ。店の中はジャズが流れており、席につくとすぐに運ばれてきたキリリと冷えた水が丁寧な仕事をしてくれそうでなんだかうれしくなる。夜のメニューを繰る。上で紹介して定番メニュー以外はその日の仕入れによってって感じのようで、魚専門とあったが野菜などの料理もちゃんとあった。お値段は500円~って感じ。
実山椒を漬けた醤油を表面に塗りながら焼かれた黒ムツは肉厚で脂もしっかり乗っている。山椒の爽やかかつ刺激的な味のおかげで脂のくどさはない。黒ムツは釣ったことも食べたこともあるが、こんなに美味しい魚だったっけ?と驚くことになる。お刺身はカツオ、マグロの中落ち、〆サバ、ホタテのヒモ、タコの5種。魚自慢の店のお刺身なので美味いに決まっている。小鉢はお豆腐に餡をかけたもの。ご飯とみそ汁、香の物が付いて1000円。恵比寿界隈のランチ相場からするとお刺身付きでこの値段はかなりお得感がある。
魚の皮もお刺身の下に敷いてあったワカメも残さず完食!! お店の合言葉は「No Fish No Life 魚なしの人生なんて」。「No Fish(ing) No Life」なへた釣りとは相性がよさそうなお店だと思う。Fishingには行ったけどNo Fishだったときに行きたいお店だ。ころすけの料理は魚なしに終わった釣行で荒んだ心を癒してくれる。そんな気がする。
著者: へた釣り