糖質オフで主食を抜いてダイエットしていると話すと「フラフラしませんか?」「頭がボゥーッとしない?」と言われる。医者にまでそう聞かれるが、体に違和感を覚えたのは最初の3日くらいまで。1週間目以降はいたって快調だ。その間に糖代謝から別のエネルギー回路に切り替わった?
糖質オンの状態では糖質からエネルギーを作る糖代謝回路だけで必要なエネルギーが賄われる。どころか余剰に摂取された糖質は中性脂肪となって体に蓄えられてしまう。人間の体には、糖代謝以外にもエネルギーを作り出す回路が存在する。1つは中性脂肪が分解されてできた脂肪酸を元にケトン体と呼ばれる物質が肝臓で作られるというもの。ケトン体は糖代謝によって作られるエネルギーよりも効率よく脳や筋肉に働くと言われている(ケトン体回路)。もう1つは、たんぱく質由来のアミノ酸からブドウ糖を生成する糖新生というエネルギー回路。糖新生はブドウ糖が必須の赤血球のエネルギー源として必要最小限な分だけ生成される(糖新生回路)。
ケトン体回路は糖代謝でエネルギーの充足できている間は発動しない非常用のエネルギー回路で、糖質の摂取をほとんどゼロにしてエネルギー不足を発生させることでようやく機能し始める。それも、糖質オフをしてすぐに順調に機能し始めるという物ではない。糖質オフに「フラフラしませんか?」「頭がボゥーッとしない?」というイメージがあるのはこのためだ。ここで体調がおかしいからと、糖質を摂取してしまうと元の木阿弥。糖代謝回路に切り替わりケトン体回路は発動しない。
最初の1週間はとにかく糖質を一切口にしないつもりで臨むのが肝心だ。三食主食抜きは当然としてイモなど甘味を感じる野菜も避ける。調理に微量でも砂糖やみりん、味噌が使われてそうなら口にしない。極端にいうなら塩だけで味付けした肉や魚、卵以外は食べない覚悟で臨めば、2、3日もすれば体はケトン体回路に切り替わってくれる。1週間もすればケトン体で必要なエネルギーを安定して得られるようなる。こうなればフラフラすることもないし、頭がボゥーッとすることもない。
著者: へた釣り