ダイエットのためについついカロリーを気にしてしまう。これはもう長年刷り込まれ続けた習慣なので仕方がない。サラダにかけるドレッシングも低カロリーなノンオイルの物を選んでしまいがちだがこれは間違い。野菜に含まれる栄養素を余すとこなく吸収するにはオイル入りが正解らしい。
野菜に含まれるカロテノイドと呼ばれる栄養素は人間の体のいたるところで必要であるにも関わらず体内で作り出すことができない。カロテノイドには坑酸化作用があり、真の悪玉コレステロールとして注目され始めている劣化(酸化)コレステロールを減らす効果が認められている。体によい物質としてなんとなく聞き覚えがあるであろう、β-カロチン、リコピン、カプサイシンなどもカロテノイドの1種だ。野菜や海藻類などを多く摂取しているから大丈夫と考えている人には大きな落とし穴が。カロテノイドには水には溶けにくく油に溶けやすいという性質がある。ノンオイルドレッシングだと…せっかく摂取したカロテノイドを吸収できないまま排泄してしまっている可能性がある。
米パデュー大学で行われた実験によると、大豆油、キャノーラ油、バターの3種類の油の異なる量(3グラム、8グラム、20グラム)とともにサラダを食べたときのカロテノイドの吸収率を計測した。すべての油でカロテノイドの吸収率は向上したが、中でも少量で最も高い吸収率を示したのがキャノーラ油だった。小さじ1杯(4グラム)のキャノーラ油ならカロリーは35Kcal。キャノーラ油だけでは味が物足りないなら、低カロリー低糖質のノンオイルドレッシングに小さじ1杯のキャノーラ油を追加するだけで健康のために野菜を食べる意義は大きく向上する。
同実験ではさらに小さじ1杯のキャノーラ油とともに摂取することでカロテノイドの吸収を促進させる食物として卵を勧めている。3グラムのキャノーラ油だけでサラダを食べる、1.5個の卵(スクランブルエッグ)とキャノーラ油とともにサラダを食べる、3個の卵とキャノーラ油とともにサラダを食べるの3グループで比較実験が行われた。結果は3個の卵とともにサラダを食べると、卵なしよりも4倍近くカロテノイドが吸収されたそうだ。
朝食にはカロテノイドを多く含む野菜でサラダを作る。ドレッシングはカロリーを意識してノンオイルドレッシングをベースにキャノーラ油小さじ1杯追加。生卵のカロリーは1個80Kcal。3個だと240Kcal。目玉焼きやスクランブルエッグなどで油を使って調理するとカロリーは増すがゆで卵ならカロリーは増加しない。糖質も卵は1個あたり0.2グラム。油は0グラムなので、ノンオイルドレッシングと野菜に含まれている糖質だけを意識すればよい。これなら朝はしっかり食べてはいけないというルールも守れているはず。
著者: へた釣り