早食いは太る。小学校の給食の時間に言われた。同じ物を食べているのに太りやすくなるってことはないだろうと子供心に思っていたが、糖質の摂取とそれに伴うインスリンの急激な分泌が体内で行われていると捉え直すと、確かに糖質の早食いは太る原因。食事はゆっくり落ちついて。
早食いが太る? 何を馬鹿なことをと考えた。「早く食べると、脳が満腹だと感じる前に食事が進んでしまい、たくさん食べてしまうから」と説明されたが、恐竜じゃあるまいし人間の脳みそがそこまでトロいわけがない。それに続くのは「よく噛んで味わって食べなさい」だったと思う。お昼休みは1分でも早く校庭に出て遊びたい小学生男子にさして美味しくもない給食を味わえと言ってもねぇ。せめて、早食いすると太る理由をちゃんと教えてくれれば、少しくらいはゆっくり食べてみるかと思ったかもしれないけど。
血糖値の測定をしていると、分かることだが血糖値は食事を始めるとすぐに上がりだし、ピークは食べ始めから1時間45分後くらい。糖質は唾液によっても分解され(ヨウ素液を使ったアミラーゼの実験って小学校のときやったよね)、ほかの食べ物が胃などでゆっくり消化分解されている間に、糖質だけは胃を通過し小腸から体内へと吸収されてしまう。糖質以外では2時間から4時間程度かかる消化吸収が、糖質に限ればほぼリアルタイムに近い早さ(小腸への到達は5分)で行われる。血糖値が上昇すればインスリンが分泌されるわけで、早く食べる=血糖値の上昇幅が大きい=インスリンの分泌量が増える=太る(ブドウ糖が中性脂肪に変換されやすい)。早食いを避けるべき理由がこれなら腑に落ちる。
さらに食事を食べる順番によっても血糖値の急上昇を抑えることができる。唾液でも分解される糖質は胃を素早く通り抜けてしまうが、胃を素早く通り抜けられないように障害物を置いてしまえばいいのだ。食事はサラダから始めて、乳製品やたんぱく質、脂質などで胃袋を満たしてから、最後に糖質を含んだ食品。給食は、パンとオカズと牛乳を順番に三角食べしろと習った記憶があるが、糖質オフでは、まずは牛乳を飲んで、つぎにオカズをたいらげてから最後にパンを食べるが正しい。
著者: へた釣り