糖尿病で通院することになると、毎月1回、血液を採取されて、もろもろの項目を検査されちゃうわけだ。糖尿病に直接関わる項目はHbA1cと血糖値だとは分かっているが、意味不明の数字だけを突きつけられるのは、気分がよろしくないので、何を調べられているのか調べてみたよ。
血液検査には大別すると、血液学と生化学があるようだ。血液学は白血球数や赤血球数、血色素量(ヘモグロビン濃度)、血小板数など血液の組成を調べる。糖尿病以外に痔という持病を抱えているが、痔が悪化しているときに採血すると、白血球数がきちんと増えているのが面白い。赤血球数や血色素量は貧血の診断に使われるようだ。血小板数が増えすぎると血栓ができやすいみたい。
生化学はすべての項目を検査するのではなく、糖尿病とその合併症に関わる項目だけ検査されているみたい。レギュラーになっているのが、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GT(γ-GTP)、CK(CPT)、HDLコレステロール、中性脂肪、尿素窒素、クレアチン、尿酸。写真は左が糖尿病と診断された4月4日の物。右が糖質オフ生活2カ月目の6月16日の物。
AST(GOT)とALT(GPT)は、肝臓の細胞が破壊されていないかを調べる。どちらも肝臓の細胞の中に含まれる酵素で肝臓の細胞が壊れると血液中に放出される。また、ASTは肝臓だけでなく筋肉にも含まれており、ASTの上昇で心臓の筋肉の破壊が見つかることもある。糖尿病の人の20%近くが肝臓を悪くして亡くなっているという統計がある。肝疾患は糖尿病の合併症には数えられていないが、肝機能の低下がないかをチェックするのは大事なんだと思われる。
γ-GT(γ-GTP)は血液検査の不健康自慢を競うときに必ず語られる、ASTやALT同様肝臓の細胞が破壊されていないかを測る数値だが、アルコールの摂取量に比例して高くなる。飲酒習慣がなくγ-GTPは正常値なのにASTとALTが異常値の場合は脂肪肝が疑われるそうだ。
CK(CPK)はクレアチンキナーゼのことで、骨格筋、心筋、平滑筋、脳などに多く含まれるエネルギー代謝に関わる酵素。血液中の量を調べることで糖尿病の合併症として発症する可能性がある心疾患や脳疾患の疑いがないかを調べているんだと思う。
総コレステロール、HD-Lコレステロール、LDL-コレステロールに関しては、コレステロールは悪じゃない。卵への風評被害と戦うのだでも書いたが、脂質異常症と診断されない限りは気にしないことに。
中性脂肪はHbA1cや血糖値と並んで、糖質オフ生活で最も劇的に改善した。中性脂肪は摂取した余剰な糖質から作られる。中性脂肪値が高いと脂肪肝になりやすく動脈硬化のリスクが高まるとされている。膵臓にも影響があり、インスリンの分泌量を低くすることもあるようだ。
尿素窒素、クレアチン、尿酸は糖尿病の合併症である腎機能の低下がないかを測る数値。尿素窒素、クレアチン、尿酸ともに体内で作られたる老廃物。本来は腎臓でろ過されて尿中へ排出されるものだが、腎臓の機能が低下しろ過しきれない分が血液中に残るようになる。
糖尿病発覚時にHbA1c(13.1)と血糖値(395)以外に異常値を示していたのがγ-GT(83)、中性脂肪(675)、LAP(85:肝臓や胆道の障害を調べる数値)の3つ。これらの数値は糖質オフ生活を始めて1カ月内ですべて正常値の範囲内になった。数値の改善に2カ月以上かかるHbA1cより先に正常値になったわけだ。唯一、尿酸だけ数値が悪化したが、糖質オフ生活を始めると一時的に尿酸値が上がることがあるようだ。痛風発作は起きてない。
著者: へた釣り