糖質オフ生活なら運動をしなくても体重は落ちる。ただし、軽い運動を併用すればものすごい勢いで痩せることができる。短期間でダイエットの成果を出したい、血糖値を改善したいって人は無理のない範囲で運動を取り入れよう。毎食後30分からの散歩と寝る前10分の腹筋がオススメだ。
糖尿病と診断されたときに先生から言い渡された治療方針は、食生活を見直して減量する(食事療法)、軽い運動を習慣にして血糖値を下げる(運動療法)、投薬によってこれまでインスリンを分泌し続けて疲弊した膵臓を休ませる(薬物療法)の3本立てであった。かかっている先生は糖質制限を推奨しているわけではないが、患者の意志を否定することはない先生なので食事療法は糖質オフでいくことに、薬物療法に関しては処方された薬をちゃんと飲むと決める(2カ月で投薬は中止)。運動療法について指示を仰ぐと「歩くのが一番です。人間の体で一番大きな筋肉は太腿。これを使って歩くのが一番効率のいい運動です」とのこと。「太腿が一番大きな筋肉なので」という説明がすごく理に適っていると感じたのでとにかく歩こうと決める。
ダイエットだけが目的であれば食前の空腹時にウォーキングや筋トレをするのが、中性脂肪から作られるケトン体を消費できるので効率がよいそうだが、糖尿病治療を主目的にすると血糖値が上がる食後に歩くのがいいようだ。血糖値は食事を始めて5分くらいで上がり始めて食後45分~1時間くらいにピークを迎える。食後30分から30分間くらい散歩をすることで血糖値のピークの値を落とすことができる。のんびり歩くのではなく、少し汗ばむ程度に早足で歩けば、エネルギーの消費が大きくなり減量効果が上がる上に心肺機能や足腰の筋力強化ができる。太腿の筋肉を使うために坂や階段のあるルートを選ぶとよい。
ただ歩けと言われてもすぐ飽きちゃいそうだなと考えた。漫然と歩くのではなく楽しい用事を作ることにする。ちょうど緩やかな坂道の先、徒歩10分~15分の場所にTSUTAYAがあったので、朝は出社前にここまで回り道をしてポストに返却、帰りはまた回り道をしてその日見たり聴いたりするDVDやCDを借りに行くことに。これだけで10分の遠回り×4なのでお散歩時間40分以上、歩数にして約5000歩。会社のお昼休みは一駅ほど離れた(末広町駅→神田駅)店でランチタイム&趣味の釣り具店巡り。時間に余裕があるときは往復歩きで約5000歩。時間がないときは戻りは地下鉄に乗って2500歩。足りない分は夜に10分くらい余分に歩くことにした。
1日1万歩が目標は数字だけを見るととんでもない数字のような気がしたが、実際歩いてみると意外となんとかなる歩数だってことに気付く。営業職など外出の多い勤務をしている人なら1万歩くらい普通に毎日歩いている歩数かのかも? 土日は少し遠くの釣り具店まで歩いて掘り出し物を探しに行ってみたり、糖質オフで食べられる美味しい食べ物を探していろんなお店を巡ってみるなど、時間に余裕があり目的(楽しみ)を設定しやすい土日の歩数は気付けば2万歩近いなんてこともある。
杞憂に終わったと思っているが、糖質オフで急に体重を落とすと、筋肉量が落ちて(糖新生回路が働いて)基礎代謝量が下がってしまうという指摘を読んだ。基礎代謝量が下がってしまうと、それ以降の体重の落ち方が鈍化するし、リバウンドしやすい体になるそうなので筋肉量が落ちるのはなんとしても避けたい。本格的な筋トレのためのジムに通うのは無理なので、寝る前にクランチという方法で腹筋をすることに。学生時代は300回くらいは平気でできていた腹筋だが…25年ぶりだと最初は、50回もするともう勘弁してくれぇ~って感じに。
筋トレは睡眠前の空腹時にやるのがよさそうだ。腹筋終了とほぼ同時にそのまま疲れて寝ちゃうなんてこともあるので、疲れる→熟睡といういい流れになっているように感じる。子供たちから「パパ、寝ながら自分のお腹撫でてたよ」と言われ恥ずかしい想いをする。少しずつ引きしまっていって、筋肉の輪郭がうっすらとではあるが見てとれるようになった自分のお腹が実は気に入っているのかもしれない。
著者: へた釣り