朝食はしっかり食べるのが1日を元気にすごす秘訣と言われ続けてきた。血糖値に着目して体の健康状態を測るならこれは全くの間違い。起床時は血糖値が少し高い状態。ここで糖質を摂取すると血糖値の急上昇が起き、その後も血糖値が落ちにくくなる。朝食をしっかり摂っては絶対にダメ。
寝ている間は何も食べてないはずなのに、起床時は血糖値が高いと言われてもどうして?と悩んでしまうが、健康な人でもそうだし、糖尿病の人はさらにその傾向が顕著であるらしい。就寝中のそろそろ目が覚める時間帯になるとその日の活動の準備を体が始めてホルモンを分泌され血糖値が上昇する(暁現象)、就寝中に低血糖状態になると血糖を上げるホルモンが分泌され高血糖になる(ソモギー効果)、インスリンの働きが悪い糖尿病の人は、早朝高血糖を下げる働きが弱いため高血糖状態が長く続いてしまう。ソモギー効果とインスリン不足は糖尿病の人限定だとしても、暁現象による起床時の高血糖は程度の差はあれ、多くの人に起きていると考えてよさそう。
血糖値が高い状態のときに糖質たっぷりの日本の朝ご飯を食べてしまうと、朝食後の血糖値は跳ね上がり、1日中血糖値が高めで推移してしまうことになる。肥満ホルモンであるインスリンを分泌させず痩せる体質を目指す糖質オフ生活においてこれほど不都合な状態はない。またファーストミール(朝食)での血糖値の上昇を抑えると昼食の摂取量も減らすことができるセカンドミール効果が働き、無理なく血糖値をコントロールしやすくなる。じゃあ、朝食を抜けばいいのかというとそう単純なものではなく、朝食を抜くと昼食後の血糖値が急上昇してしまって逆効果。朝食は抜いてはいけない、でもしっかり食べすぎてはいけないってこと。
朝食に摂取するとよいのが、繊維質を多く含む野菜や海藻、豆類などのサラダ。オクラや納豆などネバネバ系を含むとさらによい。これは小腸に食物繊維をたっぷり待機させておいて昼食の血糖値上昇を抑え込んでしまおうという作戦。食物繊維に関しては朝食でしっかり摂る。あとは糖質控えめの卵料理とソーセージやハムなどの肉類を摂っておけばダイエット中の朝食としては十分ではないかと。セカンドミール効果が期待できるとして、牛乳が勧められることもあるが、牛乳200mlには糖質9.5グラムが含まれている。無調整豆乳なら糖質を半分以下に抑えてセカンドミール効果も期待できるので、こちらがお勧め。糖質オフをやってみようかなぁって人は1日の血糖値コントロールの鍵を握る朝食だけでもやってみる価値がある。
著者: へた釣り