糖質オフ生活に想定される障害の多くは回避できたが、唯一便秘にだけは苦しめられた。ご飯一膳に含まれている食物繊維は0.45グラム。三食で1.35グラム。1日の食物繊維の推奨摂取量は20グラム以上。7%程度減っただけなのでと思っていたらとんでもない。「焙煎昆布」に救われる。
糖質オフダイエットを始めると、それまで毎朝あったお通じがピタリと止まる。食べる量を急に減らしたので胃腸がびっくりしたのかな?と深刻には捉えてなかったのだが、2日経っても3日経っても……そのうちお腹が張りだして、耐えがたい苦痛を覚える。便意らしき物はあるのだがトイレに座ってもガスしか出ない。5日目くらいにさすがにこれは……糖尿で死ぬ前に便秘で死ぬかもと、薬局に浣腸を買いに行くことになる。
その後も快適なお通じはなかった。放っておくと何日も……あまり我慢しすぎると大変だってことを学んだので、3日に1度くらいの頻度で浣腸して強制排泄していたが、お尻の受難に悪影響もありあまり歓迎できる状況ではない。便秘気味の妻から、ピンクの小粒やジェル状の食物繊維が混じった薬などをもらって飲んでみたが症状は改善しなかった。食物繊維のサプリを大量に飲んでみたりもしたのだが……一向に改善せず。原因は食物繊維不足だけではないのかも?と調べてみたが、食物繊維を多く含んだ食品を摂って水を飲むというだけしか解決法が見つからず。
10個入りの浣腸箱をいくつ消費しただろうという頃に、なぜか急に大量に出てすっきりする日があった。また、しばらく便秘。そして再びすっきり。共通していたのはオヤツに「焙煎昆布」を食べた日の夜に堰を切ったように大量に出るってことだった。焙煎昆布の栄養表示を調べてみると100グラム中食物繊維が28.1グラム。食べたといっても一袋(30グラム)食べたわけではなく10グラムほどポリポリと齧って口寂しいのを解消した程度。摂取した食物繊維量は3グラムほどでしかない。たまたま体質にあったのか、それとも糖質オフによって起こる便秘の原因を解消する何かが焙煎昆布にはあるのか。とにかくこれのおかげで1か月以上苦しみ続けた便秘から解放された。
欠点がないわけではない。昆布は海藻類の中で例外的に糖質量が多い。100グラムあたり41.6グラムが糖質。10グラム摂取すると、4グラムの糖質を摂取したことになる。あまり歓迎すべき量ではないが、便秘の不快感を味わうくらいならほかで糖質を4グラム削った方がずっとマシ。GI値が17と低いので血糖値への影響はあまりないはずと祈るしかない。糖質オフで便秘に苦しんでいる人、糖質オフをやってなくても便秘気味な人は、騙されたと思って試してみる価値はある。効果がなくても1袋400円くらいの物である。薬やサプリと違って食べて美味しいものだしね。
著者: へた釣り