季節ごとに旬な国産チーズを追い掛けてみようと狙っている。春に気になるチーズはなんといっても共同学舎新得農場の「さくら」。2009年にスイスで行われた山のチーズオリンピックで特別金賞を受賞したチーズだ。桜の塩漬けを使った和菓子のように可憐な姿と繊細な味に感動したよ。
直径7センチくらいの小さな円盤型のチーズで中央に桜の花の塩漬けが飾られている。下側には桜の葉の塩漬けが敷かれている。表面は白カビにも見えるが味噌などを作るのに使われる酵母を使って仕上げられているそうだ。生地は真っ白でとても美しく、しっとりとした食感。口に入れるとほのかな酸味がまず感じられる。少し遅れてミルクの甘味が、さらに遅れて塩味がやってくる。最後に口の中から鼻へと抜けて行くのが桜の香り。この香りは覚えがある。桜餅だ。1口ごとに桜餅の風味を感じられるのだから楽しいったらありゃしない。満開の桜に思いを馳せてこの時期食べるのが正解かなぁ~。赤ワインや紅茶など少し苦みのある飲み物とは何でもあいそうだが、ここはあえて日本茶とともにいただくのが面白いのではないかと。
著者: へた釣り