バレンタインでもらえたハート型のチーズを同じくバレンタインでもらった黒いカッティングボードに乗せて写真を撮るつもりだったのに、間違えて木のボードを使ってしまった。黒いボードデビューは来週とも考えたが…使いたくて我慢できない。チーズ盛りをオカワリすることにしたよ。
白いチーズが多いときはやはり黒いボードに盛った方が映える。黒背景で白なら自然と絵がひきしまるし、チーズ自体が美味しそうに見えるので、いい加減なチーズのレイアウトでもそれなりのチーズプラトーに見えるのではないかと……。もちろんプロが作ったお皿とは比べるべくもないんだけどね。
せっかくの黒いお皿なので白いチーズを中心に。ブリア・サヴァラン・ア・ラ・パパイヤのオレンジも黒に対して映える色なのでうまくアクセントにならないかなぁ~っと狙ってみたがレイアウトした位置が悪かったみたいでちょっとインパクト不足だったかも。殺菌乳のカマンベールと無殺菌のブリ・ド・モーの味の対比は面白かった。
1.ベルジェー・ブルー・デ・ピレネー
フランス 羊乳 青カビ
表面がしっとり湿った感じの羊乳チーズで臭いも強めで青カビまでありってことでクセ者感がハンパないのだが食べてみると羊乳の甘味とコクが口の中にパッと広がり非常に食べやすい。少し遅れて青カビの刺激がやってくるが、強すぎず弱すぎずで絶妙のアクセントになっている。その名の通りピレネー山脈の雄大な自然の中で作られたチーズである。
2.キュレ・ナンテ・オ・ミュスカデ
フランス 牛乳 ウォッシュ
フランス革命の時代、ロワール河下流の都市・ナントの街に逃れた司祭(キュレ)が造ったと言われている歴史あるチーズ。表皮をゲランド産の塩と白ワイン、ミュスカデで洗った物がミュスカデとなる。オリジナルのキュレ・ナンテよりもミルクの甘さが前面に出ているように感じる。ウォッシュだけど食べやすいチーズだ。
3.ルブロション・ド・サヴォワ・フェルミエ・パカール
フランス 牛乳 セミハード・ハード
標高1000メートルの高地牧場で育った牛のミルクをたっぷり使って作られたチーズを、この地で絶大な信頼を得ているパカール社が熟成したものである。木の実のような香りがあり、また生地もスプーンですくえるほどに柔らかいことからウォッシュチーズ?と勘違いしたが、セミハードチーズに分類されるらしい。とにかくまろやかでミルキーなやさしいお味。
4.ヴェント・デスターテ
イタリア 牛乳 セミハード・ハード
イタリア北部で作られるラッテリアというチーズを干し草やハーブを敷いたオークの樽で熟成させた物。ヴェント・デスターテは「夏の風」の意。生地はボロボロと崩れる感じでミルクの味を濃厚に感じ、甘味が強い。口の中にとどめてゆっくり味わうと繊細なハーブの香りを楽しむことができる。それを夏の風と感じられる感性は……まだないけれど。
5.ブリ・ド・モー・フェルミエ・ロートシルト
フランス 牛乳 白カビ
フランスを代表する白カビチーズで「チーズの王様」と称される。無殺菌の牛乳から作られるためコクがあり熟れたミルクの香りが強い。フェルミエは農家製のことで。ロートシルトはボルドーワインのシャトーの名。搾乳から製造、熟成まで手作業でじっくりと行われているブリ ド モーの希少版。文句なしに超美味♪
6.カマンベール・パストリゼ
フランス 牛乳 白カビ
元祖カマンベール(ド・ノルマンディ)は無殺菌乳で作られるため風味も味わいも強いが、殺菌乳で作られるカマンベールはマイルドでクリーミィな味わいになる。物足りないと感じるときもあるし、安心感のある味と感じることもある。子供たちには一番人気のチーズだ。
7.ブリア・サヴァラン・ア・ラ・パパイヤ
フランス 牛乳 フレッシュ
プラトーの主役は間違いなくこれ。美食家の名を冠した最高のデザートチーズの周りにダイス状にカットされたドライパパイヤが散りばめられている。ブリア・サヴァラン単体で十分美味しいのに、ドライフルーツの甘味が加わると、チーズというよりはケーキそのもの。見た目にも鮮やかでプラトーの華やかさを急上昇させてくれる。
8.カンボゾーラ
ドイツ 牛乳 白カビ・青カビ
カマンベールでゴルゴンゾーラを包んである。名前もカマンベールとゴルゴンゾーラを組み合わせた造語だというのであるから反則だろと言いたくなる。しかもカマンベール部はダブルクリームなので濃厚かつこってりとした味。青カビの刺激は出しゃばらずまろやかで、反則だけど滅茶苦茶美味しいチーズだ。
著者: へた釣り