納豆も奥が深く、分かったつもりが分かってないってことがこれからも起きそう。小粒納豆はネバネバに絡んだ納豆の醍醐味を味わうために掻きこむように食べる物と分かったような気になっていたが、「舟納豆」を食べると間違いだったと気付く。豆一粒一粒の味を楽める小粒納豆もある。
丸真食品は創業90年以上経つ高級納豆の老舗であるそうだ。茨城県の地理に明るくないのだが、水戸市の北。久慈川沿いの中流域、茨城県と福島県の県境の辺りを奥久慈というらしい。渓谷美,山岳美に優れたこの一帯で獲れた奥久慈産の小粒大豆で作られているのが「舟納豆」だ。水がきれいで豆は良質、作り手は老舗とくれば期待するなって方が無理なわけで、大いに期待して袋を開ける。。
納豆本来の味を大切にするためにマツの経木で包まれており、醤油が漏れることはないのでそのまま食べられると注意書きが書かれていた。わざわざそう書いてあるってことは経木の舟の中で混ぜて食べることが推奨されていると判断する。かき混ぜるとしっかり粘って糸を引くのは小粒納豆らしいが、豆が一粒一粒しっかりしている。掻きこむように食べるのが惜しくなり、まずは何粒が箸ですくって食べてみる。。
小粒だけど豆一粒一粒の味がしっかり感じられる。大豆らしい甘さがしっかり感じられ、続いて納豆らしい香りと風味が口を支配する。嚥下しようとすると、大豆らしい後味の苦みまで残してくれるのだから、豆の味を楽しむという点で大粒納豆に引けをとらない。どころか粒の数が多い分、たっぷり味わえて得した気分にすらなる。現時点でオカワリしたい小粒納豆のナンバーワンは他を大きく引き離して舟納豆になっている。
著者: へた釣り