2週間ほど前にしっかり熟成してトロトロになったパヴェ・ダフィノアをスプーンで3すくいほどいただいた。濃厚なミルクな味を楽しめたが、そのとき抱いた感想(野望?)が直方体の上部を剥がして1個丸々食べてみたいだった。運よく半額で売っているのを見つけて購入し夢をかなえる。
白カビの少し厚めの表皮に包まれたパヴェ・ダフィノア。熟成が進むと内部がトロトロになりその形を保てなくなって上部が凹みだす。そうなると食べごろで、上部の表皮を切り取って、トロトロになった生地をスプーンですくって食べるのが最高とある。いつものチーズ売り場で賞味期限切れ間近のサービス品となり半額で売られていたのを発見する。手に持ってみる。もう少し熟成させれば夢の丸々1個スプーンですくってという食べ方ができそう。迷わず購入した。
パヴェ・ダフィノアは牛の殺菌乳で作られる白カビチーズなので、無殺菌乳から作られる本格的なブリやカマンベールと比べるとクセ者感がなく大人しい感じではある。熟成が進むとカスタードクリームのようにねっとりとした生地にミルクの旨味が凝縮され、バターを舐めているかのような濃厚な味わいとなる。クセ者感がない分、万人受けする分かりやすい美味しさである。ちょいゆる糖質オフでクラッカーを食べられるようになったので、クラッカーに塗って食べてみることにした。
上部の白カビの表皮をチーズナイフで切り取っていく。表皮の硬い部分のおかげで立方体の角の部分が少しとがったようになり少し凹んだようになっている個所を目印に切り取っていく(上部が凹んだ分側面が盛り上がってくる)。蓋の白カビ部を食べるかどうかはお好みで。個人的にはもったいないので食べる。少し黄味がかり柔らかくなっている生地が現れたら、スプーンですくって食べよう。冷蔵庫から出したばかりだと少し硬いことがあるので食べる30分前に室温に戻しておくのがチーズの食べ方の基本だ。
スプーンですくった物をクラッカーの上に乗せる。そのままでも十分だけど、白カビチーズのトッピングには定番の黒コショウを少しだけ。文句なしの美味さだった。軽めの赤ワインあたりといっしょに食べるともっといいのだが、半額とはいえチーズ1個とワイン1本では贅沢すぎるので我慢する。
著者: へた釣り