今日はこのチーズがあるから同じ国や地方で作られたワインと一緒に楽しもうなんて、何も分かってないくせに分かったような気分になれることをやっている。チーズはともなくワインを選ぶのが難しい。チーズにならこれ!!という定番がないものかと探してみたらスイスのシャスラが気になる。
シャスラというあまりメジャーじゃないブドウの品種から作られたワインが気になる理由は、どうやらチーズフォンデュに入れられる白ワインはシャスラから作られた物が定番だってことを知ったから。チーズフォンデュといえば濃厚な味のチーズのカクテルみたいな物なわけでそれと組み合わせるワインに選ばれているってことはあらゆる種類のチーズと相性がよいのではないかと期待している。シャスラはスイスやフランスのサヴォワ地方で栽培されているらしく、山のチーズと呼ばれるチーズの産地と重なる。湧き水のような清冽さがある辛口のワインになるそうだ。2000円くらいから買えそうなので今度買ってこよう。
イタリアの高級ワインの1つがバローロ。長期熟成に耐えるしっかりとした渋みとコクのある赤ワインらしいのだが、お値段が高すぎて飲んだことはない。でも、バローロを作ったあとの搾りかすは味わったことがある。ネッビオーロという品種で、バローロの特徴である渋みとコクをしっかり感じることができる。搾りかすを先に味わえるなんて……ある意味貴重な体験?
1.キュレ・ナンテ
フランス 牛乳 ウォッシュ
フランス革命の時代、ロワール河下流の都市・ナントの街に逃れた司祭(キュレ)が造ったと言われている歴史あるチーズ。表皮をゲランド産の塩で洗っているため、納豆のような濃密な香りがする。ふっくらとした生地はミルクのおだやかな甘味が感じられて美味しい。クセはほとんどない食べやすいウォッシュチーズだ。
2.モテ・シュール・フォイユ
フランス 山羊乳 シェーブル
栗の葉に包まれたシェーブル。ゆっくり凝固させる白くキメが細かい生地は酸味がやさしく、口の中でねっとりとした食感とクリーミーな味わいを残しながら溶けていく。ミルキーなのにさわやかな後口というなんだか相反する印象を受ける。熟成が進むと表皮がブルーのカビに包まれるらしいので熟成した物も食べてみたい。
3.シャウルス・フェルミエ
フランス 牛乳 白カビ
シャ(ネコ)とウルス(クマ)の2匹の動物が街の紋章だったシャウルスという小さな街で作られていた。無殺菌乳で作られたフェルミエは酸味が強く感じられパサパサとしたフレッシュチーズのような口当たり。ミルクの甘味も感じられ非常に食べやすい。産地の北にはシャンパーニュ、南にはシャブリがあり白ワインと相性がよい。
4.オッチェッリ・アル・バローロ
イタリア 牛乳 セミハード・ハード
テストゥンという超硬質なチーズをバローロワインの搾りかすに漬けこんだ、いわうる酔っぱらいチーズの1種だ。テストゥンは石頭の意味。硬い生地がお酒でほどよく柔らかくなり口中でパラリとほぐれる。ワインのタンニンによって甘さが引き立てられる。ほどよく赤くなっている姿もまさに酔っぱらいである。ブドウの粒はお好みで。
5.ブッシュ・デ・ネージュ
フランス 牛乳 青カビ
ブッシュは丸太でネージュは雪。丸太のような円筒状のチーズの表面を白カビが覆っている外観から名づけられた。少し黄味かかった生地は甘くて濃厚なミルク味で塩分が少し強め。青カビは生地の中にポツンポツンと点在しているだけであまり主張しない。青カビチーズではあるが白カビチーズの特徴の方が色濃い印象。
6.ペコリーノ・トスカーノ
イタリア 羊乳 セミハード・ハード
ペコリーノはイタリア語で羊乳で作られたチーズのこと。トスカーノはワインやオリーブの産地として知られるトスカーナ地方のこと。やや白っぽい生地は羊乳らしい甘みと酸味があり、口の中で溶けるのを楽しんでいると、ミルクのコクが少し遅れてやってくる。塩味は以前食べたことのあるペコリーノ・ロマーノに比べると格段に穏やか。
7.エルッチャ
フランス 羊乳 セミハード・ハード
ピレネー地方のチーズ工房の3人の跡継ぎたち、次女のエリーズ、 長女のルーシー、長男で末っ子のシャルルの名前を繋いで名付けられた最近できたばかりのチーズだ。ねっとり&しっとりとした生地は塩味と羊乳らしい甘みとコクのバランスが絶妙でなんだか官能的な味わい。フルボディの赤ワインなどと合いそうな気がする。
著者: へた釣り