予約してないと絶対に入れない難波の居酒屋の1つが裏難波の新川にしや。高島屋やなんばCITY近くの裏路地にお店はひっそりとある。5時の開店前から店の前には何組かの客の姿。全員予約客だった。キャッシュオンデリバリーで明朗会計のお店で美味しいお魚をこれでもかといただく。
難波の居酒屋で評判のお店を検索すると必ずその名があがるのが、新川にしや。バーなどではたまにあるが、客はテーブルに置かれたマグカップに現金を入れる。お酒や料理が運ばれるたびに店員さんがマグカップからお金を取って清算してくれるキャッシュオンデリバリー方式のお店だ。お魚美味しいというだけでなくとにかく安いことに驚く。造りの盛り合わせは2名分で1000円。1人前500円で6種類の魚のお刺身が1切れずつ食べられる。お酒も日本酒が1杯500円からあるのでニセンベロなら十分狙えるコスパよしのお店だ。
まずはのどの乾きを潤すためにチューハイで。メニューの一番左上は早くでてきてお店オススメのことが多いので、「6月14日のうまいもん」よりとりあえず三種盛りと、造りの盛り合わせ3人前、そして伝助穴子の白焼きとフグ白子のしょうゆ焼きを頼む。とりあえず三種盛りは炙り塩ブタとキムチ、牛すじカレー、小松菜と小えびのひたしだった。これで350円。メニューを選べばセンベロも狙えるかも。
お酒を飲みながら三種盛りを楽しんでいると造りの盛り合わせが運ばれてくる。サーモン、マダコ、タイ、マグロ、カンパチ、マナガツオの6種盛りだった。マナガツオは西京漬けなどでは食べたことはあるがお刺身で食べるのはこれが初めて。身に甘みがあり脂の美味しさもしっかり感じられて美味。カンパチのプリプリな食感は噛み切ろうとした歯を押し返す。マダコも噛めば甘みがじゅわりと口の中に広がる。これで1人前500円……あり得ない。お刺身が美味しかったので単品で気になる物を1つだけ追加。キアラ(標準和名:アオハタ)を頼む。鮮度がよすぎて口の中で暴れるような食感。関東ではお刺身は熟成させて味を引き出す方が好まれるが、関西ではお刺身は食感を優先させることが多い気がする。
お次は伝助穴子の白焼きとフグ白子のしょうゆ焼き。伝助穴子はときに1メートル以上に育つ大きなアナゴのことで兵庫県の昔話に出てくる「大きくて役に立たない」伝助さんの名が付く通り、煮アナゴや天ぷらでは使えないサイズのアナゴを指す。それってもしかしてクロアナゴ?とも思ったが、マアナゴが大きくなった物を伝助穴子と呼ぶそうだ。白焼きは骨切りされて焼かれていた。身はフワフワとして食感。肝の煮付けも添えられていた。白子のしょうゆ焼は衝撃的な美味さで、我慢できずに日本酒に。高知の文佳人の夏純醸うすにごりが「ラムネ風味?」と書かれており、気になった。これを注文。果たして…心地よく鼻に抜ける酸味は確かに!! ラムネ風味だった。白子の濃厚な味とさわやかな酸味の夏酒は相性いいかも。
2時間制なのでそろそろ終わりの時間。十分に腹はくちくなっていたが、席を空けなければとなると名残惜しくてもう1品追加する。トラフグと朝しめ鶏のからあげ。トラフグのアラの部分の唐揚げは骨にへばりついた肉を歯でこそげながら食べる無口になれるメニュー。鶏の唐揚げは身が柔らかくジューシーで最後の一皿まで非の打ちどころなし。2時間にわたって遠慮なく飲み食いしたが1人2500円いってない。
著者: へた釣り