明石駅のすぐ近くにある商店街、魚の棚(うおんたな)では明石漁港に揚がった昼網の鮮魚などが買える。人丸花壇の海峡名物3点セットは高級なええもん、こちらは庶民的なええもん。食べずには帰れない明石焼き、時期よくいかなご釘煮、ぺったん焼なる蛸入り煎餅などをいただいた。
瀬戸内海の3月の風物詩といえばイカナゴの解禁である。資源保護のため漁期は短く、2月下旬から3月上旬に解禁となり4月には禁漁となる。最近不漁のためにさらに漁期は短く設定されるようになっており、3月下旬には禁漁になることも。昼網で揚がったばかりのイカナゴが1キロ2500円で買える。関西では甘辛く炊いて食べる。色と形が錆びた釘に似ることから釘煮と呼ばれる。釘煮用の調味液も売られていたが、東京まで足の早そうなイカナゴを持ち帰る度胸はなかったのでお店で炊いた物を購入した。こちらは100グラム1000円。割り高感はあるが時期よく巡り合ったイカナゴの新子を逃すわけにはいかない。
明石まで来て食べずに帰るわけにはいかないのがご当地では玉子焼きと呼ばれる明石焼き。大阪のたこ焼きよりもふわとろとした食感で出汁に漬けてまずは食べる。飽きたらソースで味変する。魚の棚にあるたこ磯で食べることに。蛸だけでなく、穴子を具に選ぶことができる。蛸と穴子を両方入れたミックスなんて贅沢なメニューも。蛸は柔らかくプリプリの食感。焼き穴子は香ばしさが残っており一人前15個ならペロリと食べられる。明石焼きの命である生地のふわとろ具合は本場の名店なので間違いなし!!
お土産に選んだのが永楽堂の明石ぺったん焼。明石蛸をチーズと少しピリ辛の特製タレで味付けした生地の上に乗せ、重たい鉄板で圧を掛けて押しつぶしてカリカリに焼き上げる。江の島のあさひ本店の丸焼たこせんぺいよりも粉物文化圏のため煎餅感が強い気がする。お土産用で包装された物を確保したら出来立てほやほやの物を食べ歩き用に注文。顔よりも大きいぺったん焼を渡されて食べきれるの?と一瞬思ったが、食べ始めると止められない止まらない系のお味なのでさほど時間はかからずに完食してしまう。
ほかにも穴子の串焼きを美味しそうだったので自分のお土産用に確保する。穴子や鰻は少し食べにくくはあるが頭が美味いと思っているので頭付きなのがうれしい。イイダコの頭の中にうずらの玉子をいれて串を刺したタコ玉子がかわいかったのでこれも買ってしまう。明石はマダコだけでなく冬はイイダコも特産品であるそうだ。鮮魚店では釣ってもリリースする15センチくらいのカサゴが1ザル500円くらいで売られていたのが面白かった。味噌汁の出汁用…かな?
著者: へた釣り