大阪で肉といえば、豚や鶏は含まず牛肉のことを指す。でもって、肉を和風に調理した料理が抜群に美味しいのが大阪の特徴ではないかと思っている。6月の大阪のええもんその2は難波のカジュアル割烹Shunで「A5ランク牛しゃぶローススープ茶漬け」。肉の脂とお出汁が混然となり陶酔。
母の「ええもん食べにいこ」に甘えて、大阪の美味しい料理をいただきに。ランチで訪れたのが難波のビッグカメラの並びにあるカジュアル割烹Shun。カジュアルとはいえ割烹なわけで、夜はそれなりにお高いお店だがランチなら1000円台前半で確かな腕で料理された和食がいただける。お目当ては「A5ランク牛しゃぶローススープ茶漬け」で前菜6種盛りが付いて1280円。夜は居酒屋でお刺身中心でええもんを楽しむことが多いので、昼は肉が食べたくなる。
注文をして待つこと暫し。料理が出てくるペースはゆっくりだ。その間にお酒でもということなんだろうが、お昼なので我慢。日本酒のメニューに目を通すと、岡山のGOZENSHU9(NINE)など面白いお酒が見つかる。冷酒は一合とっくりで900円からだった。前菜6種盛りが運ばれてくる。奥左から鯛の手まり寿司の餡かけ、もずく酢、トマトのゼリー(?)、サーモンとクリームチーズ、黒豆と葛、レーズンバター。どれも間違いないお味だが手まり寿司とトマトのゼリーはオカワリが欲しくなるほどに美味だった。
前菜を食べ終わってしばらくするとメインのA5ランク牛しゃぶローススープ茶漬けが運ばれてくる。熱した鍋に軽くお茶碗一杯分くらいのご飯。ご飯を覆うように薄くスライスされた牛肉が盛られている。出汁は店員さんが掛けてくれる。鍋にあたった出汁が沸騰し香りが立つ。肉の赤い部分がほんのりと桃色に染まり、脂は蕩けて出汁の表面に油膜が浮く。まずは1枚を半生で。残る2枚はご飯と共に崩していただく。出汁に溶けだした肉の甘みが感動物の美味さ。食べ進めるともうすぐなくなってしまうのが惜しい。茶漬けなのにゆっくり味わって食べる。足りないくらいがちょうどよいとは分かっているが…。出汁まで一滴も残さずにたいらげる。
著者: へた釣り