月に一度の大阪行きのお楽しみは仕事終えて「ええもん」を食べること。難波辺りでお酒が飲めて安くて美味しいお店を探す。今月は海鮮居酒屋 天秤棒へ。前を何度か通りかかり水槽にクエやオニオコゼが泳いでいるのを見て気になっていた。いかにも大衆居酒屋なのれんをくぐる。
メニューにはこんなに種類を仕入れて大丈夫なんだろうか?と心配になるほどにいろんな魚の名前が書かれている。ほかの人が食べてる物を確認すると、お造り5種盛り合せが1680円で結構な量がありリーズナブルなお店だということが分かる。でも、本日のテーマは安く飲むではなく、関東ではなかなか口に入らない魚を食うことなので、盛り合せではなく単品で頼むことに。まずは「オコゼの姿造り」「クエの薄造り」「シマアジ」そして「大トロの造り」を頼む。関西ではキアラと呼ばれるアオハタも水槽で泳いでいるのを確認していて気になったが、アオハタよりもクエを選んだ。
どれも美味かったが味も見た目もインパク絶大だったのがオコゼの姿造り。脂で光輝くように見えるきれいな白身で口の中に入れるとプリプリと爆ぜ歯を押し返すような食感が心地よい。良質の白身魚の脂の甘みが広がり嚥下するのが惜しく、口の中にいつまでもとどめおきたくなる。お刺身には皮と肝が添えられていた。皮はゼラチンたっぷりでブルンブルン。肝は小さいが小さい分濃厚な味わい。肝は潰して身に塗って食べるのが正解かな? オコゼの姿造りの前にクエもシマアジも霞んでしまった感じはするが…両方とも間違えのない美味さだった。大トロは値段に対してこの量、この美味さはあり得ないレベルかも。
オニオコゼをメニューに見つけたら絶対に注文しなくてはならないのが唐揚げである。これまでに食べたことがある魚の中で、唐揚げにしてこの魚以上に美味しい魚は知らない。大きな魚ではなく可食部は少ない。少ない分だけそのホクホクと揚がった身は有難味がある。まずは身を楽しみ、頭裏の肉を逃さないようにぶっさいくな顔にしゃぶりつく。
少し飲み足りなかったので、「山芋とろろ焼き」と「紅しょうが天ぷら」でガリ酎をいただく。山芋とろろ焼きはふわふわの生地に天かすと紅ショウガが入っていた。ソースではなくマヨネーズで食べる。お好み焼きに似るが糖質的にはかなりヘルシーな一品。紅しょうが天ぷらは大阪のジャンクフードの1つだがお酒のあてに最高の一品だと思う。
著者: へた釣り