子供のころは昆虫採集に夢中だった。自由研究には必ず昆虫標本を作った。大人になって釣りにハマると今度は釣った魚を図鑑と照らし合わせて同定するのが楽しくなった。釣った魚は200目を超えた。最近はチーズ。図鑑を見ながらチーズの種類を覚えて、チーズプラトーで標本作り?
チーズに関しては知識がまだまだ足りてないので、取り合えずいろんなチーズを食べてみるところから始めている。こういうとき便利なのがお店の店員さんセレクションで作られたお勧めチーズの詰め合わせ。店頭で何が入っているのか確認し、なるべくこれまで食べたことがないチーズだけの物を買っている。今回は、東急百貨店東横店B1階にあるフェルミエ渋谷店のお勧めチーズ7種を買ってみた。?
チーズナイフも持ってないし、チーズボードもない上に、美的なセンスにも乏しいのでお世辞にも上手なとはいえないが、チーズプラトー(盛り合わせ)らしき物を作って写真を撮ってメモ代わりにしようと決めた。昆虫標本ならぬチーズ標本を作っているわけだ。チーズの特徴や食べた感想もちゃんと書きとめていく。
(下段左から)
ブリ ド モー フェルミエ ロートシルト
フランス 白カビ 牛
フランスを代表する白カビチーズで「チーズの王様」と称される。無殺菌の牛乳から作られるためコクがあり熟れたミルクの香りが強い。フェルミエは農家製のことで。ロートシルトはボルドーワインのシャトーの名。搾乳から製造、熟成まで手作業でじっくりと行われているブリ ド モーの希少版ってことかな。以前食べたブリよりむっちり芳醇なイメージ。
トム ド フォントゥネー‘ロドルフ ル ムニエ熟成’
フランス ハード・セミハード 山羊
ローズマリーやタイム、白胡椒、杜松、エノミ唐辛子…豊富なハーブをたっぷりと塗し、じっくりと3ヶ月以上も熟成されたチーズ。ロドルフ・ムニエさんはフランス最優秀職人の称号を持つチーズ職人でロドルフ熟成チーズというのはブランドになっているらしい。山羊のチーズにしてはくせがなくハーブがアクセントになってて食べやすい。
シャビシュー デュ ポワトー
フランス シェーブル 山羊
薄い外皮にキメが細かくしっかりした中身、柑橘系のような酸味がふわっと立ち上がったかと思うと消え、塩味が強いかと思うとすうっとひいていく不思議な味と紹介されていたがそこまで繊細の舌は持ち合せていないので、山羊の乳の軟らかい味を感じることができるこれまた食べやすいチーズだと思う。
(中段左から)
ケソ サモラノ アルテサーノ
スペイン ハード・セミハード 羊
アルテサーノはスペイン語で家内工業製の意味。伝統手法を守り無殺菌乳から製造されており、木の棚で2ヶ月、地下のカーヴで4ヶ月、最低6ヶ月の熟成を経てから出荷される。ドン・キホーテにも登場したチーズ、ケソ・マンチェゴの高級版で、無殺菌乳で長期熟成ならではの深いコクと余韻の長さが楽しめる。羊乳のチーズは甘味と旨味が濃厚で美味しい。
キャッシェル ブルー
アイルランド 青カビ 牛
アイルランド生まれの青カビチーズ。ねっとりとしてクリーミーな甘みのある生地に青カビのピリッとした刺激とナッツのような香ばしさがほどよく混じる。イギリスの有名な青カビチーズのスティルトンを思わせる風味らしいが、よりマイルドな印象。
パヴェ ダフィノア レジェ
フランス 白カビ 牛
パヴェは石畳のことで、その名の通り直方体のチーズだ。パヴェ ダフィノアは、ミルクを凝固させる前の段階で水分を除くウルトラフィルとレーションという新しい技法で作られているため脂肪分が多くクリーミーだ。レジェはライトのことで、脂肪分が9%に抑えられているのですっきりさわやかな味わい。オリジナルと食べ比べてみたい。
(上段)
キュレ ナンテ
フランス ウォッシュ 牛
フランス革命の時代、ロワール河下流の都市・ナントの街に逃れた司祭(キュレ)が造ったと言われている歴史あるチーズ。表皮をゲランド産の塩で洗っているため、納豆のような濃密な香りがする。ふっくらとした生地はミルクのおだやかな甘味が感じられて美味しいのだが、この匂いに慣れるのにはもう少しステップを踏んだ修行が必要かも。
著者: へた釣り