7種類のチーズが入ったチーズセットで食べたことがないのは3つか多くても4つくらいになってきた。それなりに経験値が上がったような気がする。一方で未知のチーズの想像外の味に驚くことがいまだある。チーズ道楽は奥が深い。今回の目玉はランカラ。一口舐めたらママのあじ~♪
今週は渋谷に用事があったのでチーズセットをオカワリした。なるべく食べたことがないチーズが多く入っている袋を選ぶのだが、実はそう選択肢が多いわけではない。フェルミエ・渋谷店に並んでいる4、5種類の袋の中から1個を選ぶことになる。未知のチーズを見つけると店員さんに「これはどんなチーズ?」と聞いてみると、丁寧に教えてもらえる。「羊乳で熟成状態もいいのですご~くミルキーですよぉ~」と勧められたのがランカラだった。
カタカナの固有名詞を覚えるのが苦手なのにチーズの名前を覚えなければ道楽もままならないというなんとも困った欠点を抱えているのだが、不思議と興味があることはちゃんと覚えていられるものだなぁ~と。カクテルや熱帯魚の名前を覚えるのは苦じゃなかったもんね。世界史に登場した人名や地名には全く興味がなかったってことやねwww
1.ゴルゴンゾーラ・ピカンテ
イタリア 牛乳 青カビ
世界3大青カビチーズの1つに数えられるイタリアのゴルゴンゾーラ。名前の響きがよくイタリア料理のメニューでその名をよく見かけるので知っている人は多いと思う。ゴルゴンゾーラにはピカンテとドルチェの2種類があり青カビの刺激が強いピカンテが正統派。ただし食べやすく青カビを減らしたドルチェの方が主流派になっているようである。
2.シメイ・ドレ
ベルギー 牛乳 ウォッシュ
厳しい戒律で知られるトラビスト修道院で作られている門外不出だったビールがシメイ・ドレ。2013年に製品化され一般でも入手できるようになった。ビールとともに製品化されたのがチーズの表面をシメイ・ドレで洗った同名のチーズだった。ねっとりとした食感とキャラメルのような苦みとコクが楽しめる面白いチーズだ。
3.ケソ・デ・バルデオン
スペイン 牛乳・山羊乳 青カビ
塩漬けされたカエデの葉に包まれた青カビチーズ。牛乳と山羊乳の混乳から作られるのでミルクの甘さとコクをしっかり味わえる味の構成。口に入れるとまず青カビのそれほど強すぎない刺激を感じる。少し遅れてミルクの甘味とコクがやってくる。生地は水分が少なめで少しパサパサした感じ。口の中に入れるとパラリとほぐれて味が広がる。
4.クアルティローロ・ロンバルド
イタリア 牛乳 ウォッシュ
クアルティローロは秋に行われるその年最後(4回目)の刈り入れのことでその牧草を食べた牛の乳で作られていたが、今では年中作られるようになったようだ。少し酸味がありさわやかな味は秋よりも春っぽい。少し黄味かかった生地は少しシャリっとした食感でヨーグルトにも似た香りとミルクのコクをしっかり感じることができる。
5.ランカラ
フランス 羊乳 白カビ
直径15センチくらいの円形で表面を白カビで覆われおり、カマンベールとそっくりだ。熟成が進んで中央部からドロリと蕩け出すのも同じだが、無殺菌の牛乳で作られる本物のカマンベールと比べるとクセ者感はない。羊乳で作られるランカラはとにかくミルキーでコクがある。甘味も強く感じられミルクキャンディのような味だ。不二家のミルキーの味にすごく似ていると書くと日本では分かりやすい?
6.サント・モール・ド・トゥーレーヌ・ドゥミ・アフィネ
フランス 山羊乳 シェーブル
「ドゥミ・アフィネ」はほどよく熟成させたという意味。若い物と比較するためにわざと買った。表面の木炭と生地の間が少しトロトロになっていた。食べ比べてみると、若い物に感じた酸味はなくなっており、代わりに山羊乳の味が濃縮されクリーミーさが格段に増す。香りも熟成が進むとナッティーになり、チーズの熟成とはこういうことかっ!と驚かせてくれる。
7.カマンベール・パストリゼ
フランス 牛乳 白カビ
元祖カマンベール(ド・ノルマンディ)は無殺菌乳で作られるため風味も味わいも強いが、殺菌乳で作られるカマンベールはマイルドでクリーミィな味わいになる。白カビチーズを食べ慣れてくるとインパクト不足で物足りないと感じるが、それでも国内大手メーカーがカマンベールと称して売っているチーズに比べればはるかに美味しい。
著者: へた釣り