ティラミスなんてイタ飯バブルの遺物、好きだったわけでもないのだが……マスカルポーネを買ってみるとティラミスしか作る物が思いつかないのだからチーズ修行が足りない。糖質オフで作ったティラミスだけど、マスカルポーネとビターなコーヒーソースやココアとの相性は抜群だ。
マスカルポーネは北イタリアを代表するフレッシュチーズで、少し硬めの生クリームのような食感と優しいミルクの甘味を味わえる。ジャムやハチミツを添えたり、甘めのフルーツとともに楽しむこともできるが、ティラミスのおかげでエスプレッソとの組み合わせがやはり最強のような気がする。フレッシュチーズなので新鮮でしかも材料の牛乳が高品質そうな物ということで、タカナシ乳業の「北海道マスカルポーネ」を選んだ。北海道根釧地区の生乳から作られており、コンテストで入賞実績もある。
マスカルポーネをそのままスプーンですくって食べてみる。生乳そのものといってもよいやさしい味わいで、なんちゃってティラミスは生クリームやラカントなど余計な物はチーズには加えずにこのままの味を楽しんじゃおうと方針を決める。ケーキ生地は糖質的に使えないので砕いたアーモンドで代替。コーヒーソースにだけ液体ラカントSを加えて甘味を追加した。ココアはバンホーテンの生パウダー。これがなくっちゃティラミスにならない。手抜き?ってほどになんちゃってな作り方ではあるが、ちゃんとティラミスっぽい物にはなったよ。
1.コーヒーを濃いめに淹れる。エスプレッソマシンがあればそれでいいのだが、ドリップならフィルターを何度か通過させてそのまま飲むには濃すぎるコーヒーを作る。これに液状ラカントSを加え、苦いけど甘味も少し感じるくらいに調整し冷ましておく。あまり甘くしすぎないように。
2.アーモンドを適量袋に入れて粉々に砕く。粉状の部分もあれば粒が残っている部分のあるようにすると食感に変化が生まれて面白い。
3.2の半分をグラスに入れてその上から1のソースがヒタヒタになるくらいまで加える。
4.3の上にマスカルポーネを50グラムくらい乗せる。軽く表面をならしてから残りのアーモンドとコーヒーソースを注ぐ。うまく層にならなくてもチーズにソースが絡んだほうが美味しいので気にしない。
5.その上にさらに50グラム程度のマスカルポーネを追加し、軽く表面をならして、ココアパウダーを茶こしで振るってかける。コーヒーを淹れて冷ます時間を除けば制作時間10分以下で、なんちゃってティラミスの出来上がり。
お味の方は、マスカルポーネ+苦みのある素材の組み合わせは鉄板なわけだから、不味く作るのが難しいのではないかと……。コツがあるとすればコーヒーはその都度ちゃんと美味しく淹れることかな。作り置いたコーヒーは美味しくない。濃く淹れるので美味しくなさも濃くなっちゃうからね。
著者: へた釣り