チーズの脂肪は体外へ排出されやすく体につきにくいとはいえ、食べ過ぎはよくない。よくないと分かっていながら年末年始はチーズをいつも以上にたっぷり買い込み、ワインでも飲みつつテレビを眺めて食べちゃうわけだ。お正月明けに太っていたらチーズ太りだという自覚があるよ。
大みそかからお正月の三が日は大して面白くもないテレビを見ながらお家でのんびり家族団欒といきたい。ワインを買って、ワインとともに楽しみたいのが最近ハマっているチーズ。例によってフェルミエ渋谷店で年末年始セットを購入し、食べてみたかったチーズをいくつか買い足してみる。フレッシュ、白カビ、青カビ、シェーブル、ウォッシュ、セミハード・ハードといろんな種類のチーズを楽しみ尽くすのがお正月チーズプラトーのテーマ。
(前の3つ左から)
アルスア・ウジョア
スペイン 牛乳 セミハード・ハード
本当は尼さんのおっぱいというなんとも背徳的で艶めかしい名前で呼ばれているケソ・テティージャを買おうとしたのだが、「そっくりですよ」と店員さんに勧められたのがコレ。お餅の様な食感でなるほどおっぱいと納得。すっきりとしたミルク味でバニラクリームの様な甘みもあり。
パルミジャーノ・レッジャーノ
イタリア 牛 セミハード・ハード
説明不要?なイタリア産チーズの王様。パメザンチーズって呼び方の方が日本では通りがいい。短い物でも18カ月、長い物だと5年以上熟成されるので水分が抜け切って超硬質でじゃりじゃりな食感。噛めば噛むほどに旨味が出る。ナッティで甘い香りを楽しめる。
ピアーヴェ・メッツァーノ
イタリア 牛乳 セミハード・ハード
高地で作られている伝統的な山のチーズでほとんどクセらしいクセがないまろやかで優しい味わい。61日以上180日未満の日数熟成させた物をメッツァーノと呼ぶようだ。メッツァーノはほどよい柔らかさで歯が吸い込まれていく。
(中の4つ左から)
トム・ド・サヴォワ
フランス 牛乳 セミハード・ハード
表皮は灰色をしておりいろんな色のカビが生えている。はっきり書くと汚く見え、お世辞にも美味しそうには見えない。ところが食べてみるとナッツっぽい香りがたまらなく食欲をそそるしあっさりとしたミルクの旨味を感じることができる。
グランデ・シントコ
日本 牛乳 セミハード・ハード
春から秋の一年でもっとも乳質の良いミルクを使い1年熟成させて作られている大型のハードチーズが共働学舎のシントコ。そのシントコをさらに熟成させ16~18カ月熟成させた物がグランデ・シントコだ。水分が抜けジャリジャリとした生地にはミルクの味が濃厚に閉じ込められている。コンテに似た味だった。
キュレ・ナンテ
フランス 牛乳 ウォッシュ
フランス革命の時代、ロワール河下流の都市・ナントの街に逃れた司祭(キュレ)が造ったと言われている歴史あるチーズ。表皮をゲランド産の塩で洗っているため、納豆のような濃密な香りがする。ふっくらとした生地はミルクのおだやかな甘味が感じられて美味しい。食べやすいウォッシュチーズだ。
ミモレット・ジュンヌ
フランス 牛乳 セミハード・ハード
天然色素のアナトーによる鮮やかなオレンジ色のチーズ。以前エクストラヴィエイユという18カ月以上熟成させた物を食べ、カラスミのような食感と濃厚なミルクの味に驚いた。ジュンヌは6週間熟成の最も若いミモレット。同じチーズ?ってくらいにマイルドでライト。
(奥の3つ左から)
フロマージュ・ド・みらさか
日本 牛乳 ?
広島で作られている白カビチーズでカシワの葉にくるまれて熟成されるので表皮にはかすかに匂いが移る。自然放牧したブラウンスイス乳100%で作られており、少し酸味を残しつつもクリーミーな味わい。熟成させるとさらにクリーミーさを増す。
ミナスチーズ
日本(ブラジル) 牛乳 フレッシュ
群馬県大泉町でブラジル人のビルマル・デ・ソウザ・ファリアスさんが作っているブラジルの朝食で人気だというフレッシュチーズ。牛乳をゼラチンで固めたような、牛乳グミのようなプルプルの食べ心地が楽しい。
ブッシュ・ド・ルッセ
フランス 山羊乳 白カビ・シェーブル
山羊乳で作られたチーズはシェーブルと呼ぶと思っていたが、シェーブルでもあり白カビでもあるという変わり種。中央部はシェーブルらしい酸味があって口の中で溶けて消えて行くチーズ。外周に近い部分は白カビらしくミルキーな味わいで楽しみ方もハイブリット。
著者: へた釣り