正月太った分を減らすのに糖質だけでなくカロリーも意識した方がいいのは分かっているが……チーズ道楽が止まらない。ほかでカロリーを減らすからチーズだけは食べ続けたいってくらいハマっているのである。今回はドロドロに熟成した白カビチーズをメインに盛り合わせを作ってみたよ。
まだまだ知らないことの方が多いので、フェルミエ渋谷店のチーズセットはその時期のオススメのチーズが詰まった福袋のようで、非常にうれしい。7つのチーズが入った袋が何種類か用意されていて、どれを選べばいいのか悩んだら店員さんが相談に乗ってくれる。相談のついでにオススメのチーズを教えてもらったりして、チーズセット+オススメチーズをいくつか買うことが多い。今回もいろんな味のチーズを楽しめてし~あ~わ~せ~~~。
(12時から時計周りに)
ミモレット・エクストラヴィエイユ 18+
フランス 牛乳 セミハード・ハード
若いミモレットをお正月に食べて物足りなかったので18カ月以上熟成したエクストラヴィエイユを。若いうちはマイルドなチーズだが熟成が進むと少しずつくせ者化していき、エクストラヴィエイユの食感はまさにカラスミ。ねっとり歯にからまるような食べ心地と濃厚なミルクの味を楽しめる。
モンゴメリー・チェダー
イギリス 牛乳 セミハード・ハード
イギリスを代表するチーズであるチェダーの中で、伝統的な製法を守り原料の牛乳の質にこだわり作られているのがモンゴメリー家のチェダー。一口食べると、チェダーチーズってこんなに美味しかった?と驚くことになる。濃厚なミルクの風味とバターを思わせるねっとりとした味。ジャリとして食感もあり、その部分はさらに濃密なミルク味が詰まっている。
ヴァルテッリーナ・カゼーラ
イタリア 牛乳 セミハード・ハード
ワインよりもミルクを多く産する土地として知られるイタリアのヴァルテッリーナ渓谷で1300年前から作られているという伝統のチーズ。土地伝統種の乳牛、ブルーナ・アルピーナの部分脱脂乳のみを用いて作られているそうだ。お餅のような食感が楽しく、なんだか素朴な味わいがある。味は繊細なので、口の中に長くとどめてじっくり楽しむのが面白いように思う。
ベルジェー・ブルー・デ・ピレネー
フランス 羊 青カビ
ピレネー山脈の雄大な自然のなかで作られる「羊飼いのブルー」という名のチーズ。まずは羊乳のチーズらしい香りと甘みが口の中に広がり、少し遅れて青カビの苦みと刺激がやってくる。食べ始めるともっとたくさん欲しくなる中毒性の高いチーズだ。青カビの少ないところと多いところを食べ比べると1つのチーズなのに別のチーズを食べているよう。
ランゲリーノ
イタリア 牛・羊乳 白カビ
牛乳と羊乳の混乳で作られる70グラムの小さな白カビチーズだ。牛乳らしいミルキーさとまろやかさに羊乳の甘さと濃厚さが加わることで味の玄妙さが増しているように感じる。生地は柔らかめでマイルド。もう少し熟成させてトロトロにしてから食べても面白いような気がする。
ペラルドン・フェルミエ
フランス 山羊乳 シェーブル
セヴェンヌで小さな農家ごとに受け継がれてきた手作りチーズで、ペラルドンはセヴェンヌの方言で山羊乳製チーズのこと。山羊乳らしい甘さとコクがあり、少しねっとりとしてキャラメルのように歯にまとわりついてくる食感も楽しい。フェルミエ(農家製)を名乗るには厳しい条件をクリアしないといけないらしい。
笹ゆき
日本 牛乳 白カビ
北海道の共働学舎新得農場で作られているカマンベール。北海道に自生している熊笹入りの塩を使って作られ仕上げに熊笹の葉を巻いてある。熊笹の風味がかすかに感じられる、国産らしいミルクの優しい味を楽しめるカマンベールチーズだ。ほかのチーズに比べて大人しくて目立たないような気もするし、だからこそ逆に目立っているような気もする。
クロミエ・レ・クリュ
フランス 牛乳 白カビ
今回購入したチーズセットはこれがお目当てだった。フランスを代表する白カビチーズがブリ。特に美味しいとされるブリ三兄弟の末っ子がクロミエ。そんなクロミエが熟成して形をとどめられないほどにトロトロになって売られていたら買うしかない。超ミルキー&コクがあり、無殺菌乳らしい苦みやクセ。さらにマッシュルームのような白カビの外皮。白カビチーズの醍醐味を全部楽しませくれた。
グラン・カルヴァ
フランス 牛乳 ウォッシュ
ノルマンディの三大チーズの1つ、リヴァロの中でもカルヴァドスで表皮を洗って熟成させた物をグラン・カルヴァと呼ぶようだ。リヴァロらしい黄色味がかった表皮は少し硬く、生地のもっちりふわっとした食感との対比が面白い。ウォシュらしく濃厚なミルクの味を楽しめる。熟成前だったのか香りは控えめだったように感じる。
著者: へた釣り