お正月に増えた分の体重が落ちるとチーズ道楽への歯止めがなくなっちゃったようで……今週のチーズプラトーは調子の乗っていっぱい買い過ぎw たくさん種類がありすぎてきれいに盛りつけるのなんて放棄しちゃったもんね。11種類の個性的なチーズの味を楽しめしあわせ~だったけど。
今週は楽しみにしているフェルミエ渋谷店のチーズ7種類セットを無事入手できた。さすがに7種類全部食べてことがないチーズばかりがということはなくなってきたが、季節ごと、熟成の進み具合でとプロが勧めてくれるチーズなのでハズレない。「どれが一番面白いですか?」と聞いて店員さんをちょっと困らせてしまったが、山羊乳のチーズが多めに入った物を選んでもらった。今週は種類も多いし、乳の種類もチーズの作り方のバリエーションにも富んでいるしで道楽しすぎ? また太るぞぉ~www
右だの上だと時計回りだと書いていると自分でもよく分からなくなってきたので番号をふってみる。ふってみるとこの方が分かりやすいので、今後は手間を惜しまずこの方法で整理していこうと思う。大きなチーズ、小さいチーズがあるのは消費期限と購入した分量の問題。
1.タレッジオ
イタリア 牛乳 ウォッシュ
イタリアを代表するウォッシュチーズで香りは控えめであると説明されていることが多いが……購入した物は熟成がしっかり進んだ物であったようでウォッシュらしい香りを放っていた。ミルキー&トロトロな生地は柔らかくってもっちりとした食感を楽しめる。スプーンではなくフォークで食べられるギリギリな柔らかさがクセになる。
2.フージュルー
フランス 牛乳 白カビ
白カビチーズの生産が盛んな地域で、ブリ・ド・モーのモー村、ブリ・ド・ムランのムラン村のちょうど真ん中辺りの村で作られているブリの一種。元はもっと大型のチーズであったそうだが一度生産が途絶えたのち、表面にシダの飾り付けがされて復活した。生地はなめらかで……白カビチーズらしくミルクの美味しさを素直に感じさせてくれて食べやすい。少し芯が残った状態だったので、もう少し熟成させてモーやムランと食べ比べてみると面白いかも。
3.モテ シュール フォイユ
フランス 山羊乳 シェーブル
栗の葉に包まれたシェーブル。ゆっくり凝固させる白くキメが細かい生地は酸味がやさしく、口の中でねっとりとした食感とクリーミーな味わいを残しながら溶けていく。ミルキーなのにさわやかな後口というなんだか相反する印象を受けるチーズで面白い。熟成が進むと表皮がブルーのカビに包まれるらしいので熟成した物も食べてみたい。
4.ガローチャ
スペイン 山羊乳 セミハード・ハード
表面は青みがかった灰色のカビが生えているが、山羊乳で作られているので生地はきれいな白色をしている。口に入れるとボロボロと崩れていくが、山羊乳のほのかな甘みと酸味がしっかり感じられ、ナッティなコクもあり。一度は滅びた大型の山羊乳チーズだが1981年に復活した物であるようだ。
5.アズィアーゴ・ヴェッキオ
イタリア 牛乳 セミハード・ハード
高原地帯のアズィアーゴ村でつくられるチーズで「プレッサート(加圧するの意)」と「ヴェッキオ」がある。ヴェッキオはミルクの一部を脱脂して作られる。脱脂されているのであっさり味かと思ったがジャリジャリとした食感があり、結晶化している部分が口の中で溶けるとミルクの風味がパッと口の中に広がる。薄くスライスせずにダイス状の大きさの物を食べると美味い。
6.パピヨン・ペライユ
フランス 羊乳 ブルビ
ロックフォールを作るときに余った羊乳で作られていたという歴史を持つ。世界三大ブルーチーズと同じ羊乳で作られているわけで濃厚な羊乳のコクと旨味を楽しむことができる。自然にできた薄い黄色の表皮は少し厚みがあるが柔らかい。黄色味を帯びた生地はトロリとしており芳醇なミルクの香りがする。
7.ブル・ディ・カプラ
イタリア 牛乳・山羊乳 青カビ
ブルというと牛のブルを想像したがよく考えるとブルは牡牛なのでチーズには関係ない。牛乳と山羊乳の混乳で作られた青カビチーズだった。青カビはピリッと刺激的だが、量は少なめ。青カビが入っていない白い部分のミルキーな風味と山羊乳の酸味が感じられる。青カビ部分のシャープな刺激の対比が楽しいチーズだ。塩はちょっと強め。
8.キュレ・ナンテ
フランス 牛乳 ウォッシュ
フランス革命の時代、ロワール河下流の都市・ナントの街に逃れた司祭(キュレ)が造ったと言われている歴史あるチーズ。表皮をゲランド産の塩で洗っているため、納豆のような濃密な香りがする。ふっくらとした生地はミルクのおだやかな甘味が感じられて美味しい。食べやすいウォッシュチーズだ。
9.カンタル・アントル・ドゥ
フランス 牛乳 セミハード・ハード
2000年以上の歴史があるという40キロ級の大型のチーズで90日以上熟成された物を「アントル・ドゥ」と呼ぶ。乾いた表皮はゴツゴツと武骨な感じだが、生地はナッティで繊細な味わい。口の中でもろく崩れ濃厚なミルクの香りが広がり、苦みを後味に残して溶けて消えて行く。赤ワインと合いそうなお味。
10.カプリス・デ・デュー
フランス 牛乳 白カビ
「天気のきまぐれ」という細長い楕円形のチーズで牛乳に生クリームを入れて作られるダブルクリームタイプなので、とにかくバターのように濃厚な味を楽しめる。白カビはキメ細かく綿毛のよう。香りも控え目でチーズ入門最初の一口にオススメで、万人ウケする鉄板の美味さだ。
11.シャビ・レザン
フランス 山羊乳 シェーブル
糖質的には…と分かっているけど止められない中毒性の高いチーズ。シロップ漬けされたレーズンと乳酸発酵した山羊乳から清乳を抜いて固めた酸味の強いチーズとの味のコラボが素晴らしすぎる。シャビ・レザンとブリア・サラヴァンは安く売られているのを見つけたら一瞬たりとも迷わずに買い物かごに入れてしまう超お気に入りのチーズ。
著者: へた釣り