毎週フェルミエ渋谷店に現れ、残っているチーズセットを全部手に取り時間をかけて吟味してから1個だけ買って帰る変なおじさんなわけだ。笑顔のかわいい店員さんから「今日はマニアックなセットありますよ」と声をかけられチーズ売場で赤面する。チーズマニアと認識されてしまった!?
オタク気質なのでマニアックな人呼ばわりされることには慣れてはいるが、勉強し始めたばかりのチーズに関して、しかもこちらよりずっとマニアックな知識をお持ちの店員さんからそう言われるとこれは相当恥ずかしい。でも、笑顔のかわいい店員さんにチーズ仲間と認められたような気がしてちょっとうれしかったりもした。当然、店員さんにオススメされたチーズセットを購入した。マニアックなチーズと教えていただいたマオン・メノルカは香り豊かで濃厚な甘みと酸味、塩味が1欠片のチーズに同居しており、確かにマニアック!!なお味。
マオン・メノルカは以前にも食べたことがあったが、未知のチーズはサヴール・デュ・マキ、ブリナータとブルー・ドーヴェルニュの3種類も入っていた。店員さんのオススメに従ってよかったぁ~と大満足のチーズセットだった。今回のチーズセットは香りという面でも分かりやすくいろんな種類の物が入っていて面白かった。
1.グリュイエール・クラシック
スイス 牛乳 セミハード・ハード
エメンテラーとともにスイスを代表するチーズの1つで、スイス西部のグリュイエール村で12世紀ごろから作られていた。チーズフォンデュに入っていることが多いのでグリュイエールという名は知らなくても食べたことがあるって人は多いと思われる。ナッティで深いコクのあるチーズなのでそのまま食べても十分に美味しい。
2.マオン・メノルカ
スペイン 牛乳 セミハード・ハード
パプリカとオリーブオイルを塗りながらゆっくりと熟成されたチーズで濃厚な味わいと香りの強さが特徴だ。ポロポロと口の中で崩れる生地は少し塩が強めだが同時にミルクの甘みがすごく濃厚に感じられる。甘みが消えてもナッティな香りの余韻を残してくれる。「潮風を連想させる風味」ということなので夏を感じるチーズだ。
3.ブルー・ドーヴェルニュ
フランス 牛乳 青カビ
ロックフォールと同じ産地で作られる牛乳のブルーチーズ。ロックフォールは羊乳から作られる。ある青年の牛乳で作ってみたらという思いつきで生まれた。生地はクリーミーでミルクの風味をしっかり感じることができる。青カビの入り方や刺激はロックフォールに確かに似ている。牛乳製なので日本人には食べやすい。
4.エポワス
フランス 牛乳 ウォッシュ
神のおみ足と例えられる強烈な臭いがするウォッシュチーズのはずなのだが、表皮をはげば意外と平気。ドロリと溶けた生地のミルキーはママの味系の美味しさ。濃厚なその味はチーズの王と呼ぶにふさわしい。もっとトロトロに熟成させたらどうなるんだろうと思うが、美味しすぎて熟成前に我慢できずに食べきっちゃうのである。
5.サヴール・デュ・マキ
イタリア 羊乳 ブルビ
イタリアはコルシカ島で作られている。コルシカ島には人口の5倍の羊が飼われておりチーズの生産が盛んな地域である。羊製のチーズの表面にローズマリー、セイボリー、フェンネル、ジュニパー、赤唐辛子がまぶしてある。羊乳らしいコクと甘みがまず感じられ、続いてハーブの香りが口の中に広がる。スプマンテに合いそう。
6.グラナ・パダーノ
イタリア 牛乳 セミハード・ハード
パルミジャーノ・レッジャーノはイタリアでも高価であるらしく、同じような使い方ができ値段の安いグラナ・パダーノは「キッチンのハズバンド」と呼ばれている。味の濃厚さ、風味の豊かさという点ではパルミジャーノ・レッジャーノには敵わないが、すりおろしてパスタやサラダにかけたりする分には個性が強すぎない分使いやすい。
7.ブリナータ
イタリア 羊乳 白カビ
お餅のようなもっちりとした食感からパスタフィラータタイプのチーズだと勘違いしたが羊乳から作られた白カビチーズだった。ブリナータは霜が降りるという意味で、表面をうっすらと覆った白カビを例えてそう名付けられた。塩分控えめで味はおとなしめ。ほのかな甘みと食感を味わう朝食用にぴったりのチーズって感じだろうか?
著者: へた釣り