何にでも効くと言われると眉唾感が増し増しなわけだが、チーズに関しては調べれば調べるほどあれにも効く、これに効くという情報が出てくる。なんとこれからの時期気をつけなくてはいけない熱中症予防にも効果があるんだという。チーズは血液量を増やし汗をかきやすくするみたい。
乳製品に多く含まれているアルブミンは「余命の予知因子」と呼ばれることもあるたんぱく質の一種で、血液やリンパの流れをスムーズにする効果がある。アルブミン量が多いと皮膚に近い末梢の血管の血液量が増え、汗をかきやすくなり、皮膚の表面から熱を放散する能力があがるようだ。さらにチーズの原料といえば牛乳と塩分なので、発汗によって失われた塩分の補給もできるのであるから便利だ。夏の水分補給といえば麦茶、熱中症予防にチーズ。この組み合わせなら糖質はほぼゼロなので、最近の釣行のお供はこの組み合わせになっている。
今回のチーズセットはイタリアの物が大当たり。ブドウの葉に包まれて熟成されたブル・デル・レは一口食べると赤ワインが猛烈に欲しくなるお味。今度出会えたとき用にピエモンテの赤ワインを買っておこう。ストラッキーノのウォシュの味はタレッジョと大差ないがイタリアのチーズの歴史の勉強になり面白かった。
1.アルディ・ガスナ・ピマン・デスプレット
フランス 羊乳 セミハード・ハード
羊乳から作られたコクのあるチーズの生地に赤い小さな斑点がある。その正体はピマン・デスプレットという唐辛子。すごく辛いわけではなく、味のアクセントになりチーズの甘みを引き立ててくれているように感じる。生地は柔らかめでしっとりとした食感。香りも濃厚だ。アルディ・ガスナはピレネー地方で羊のチーズのこと。
2.ピアーヴェ・メッツァーノ
イタリア 牛乳 セミハード・ハード
高地で作られている伝統的な山のチーズでほとんどクセらしいクセがないまろやかで優しい味わい。61日以上180日未満の日数熟成させた物をメッツァーノと呼ぶようだ。メッツァーノはほどよい柔らかさで歯が吸い込まれていく中に少しだけシャリシャリと結晶化した部分が混じり、その部分はミルクの濃厚な風味を感じられる。
3.ブリア・サヴァラン・ア・ラ・パパイヤ
フランス 牛乳 フレッシュ
プラトーの主役は間違いなくこれ。美食家の名を冠した最高のデザートチーズの周りにダイス状にカットされたドライパパイヤが散りばめられている。ブリア・サヴァラン単体で十分美味しいのに、ドライフルーツの甘味が加わると、チーズというよりはケーキそのもの。見た目にも鮮やかでプラトーの華やかさを急上昇させてくれる。
4.ブル・デル・レ
イタリア 牛乳 青カビ
ブドウの葉に包まれて熟成される青カビチーズで、「レ」というのは王様の意味があるらしい。ねっとりとした食べ心地で甘みを強く感じる生地の外側(ブドウの葉)に近い部分は少し茶色くなっている。赤ワインのような味とは言わないが、どこか赤ワインに通じる風味がチーズに移っている。青カビの刺激は控えめでおとなしい。
5.クロミエ・レ・クリュ
フランス 牛乳 白カビ
フランスを代表する白カビチーズがブリ。特に美味しいとされるブリ三兄弟の末っ子がクロミエ。クロミエはAOCを取得していないのでバリエーション豊富だが、無殺菌乳から作られるレ・クリュは超ミルキー&コクがあり、無殺菌乳らしい苦みやクセ、マッシュルームのような白カビの外皮まで白カビチーズの醍醐味を楽しめる。
6.パルミジャーノ・レッジャーノ
イタリア 牛 セミハード・ハード
説明不要?なイタリア産チーズの王様。パメザンチーズって呼び方の方が日本では通りがいい。短い物でも18カ月、長い物だと5年以上熟成されるので水分が抜け切って超硬質でじゃりじゃりな食感。噛めば噛むほどに旨味が出る。ナッティで甘い香りを楽しめる。かちわり状にして食べるのが一番美味しいと思う。
7.ストラッキーノ・ディ・ヴェデセータ
イタリア 牛乳 ウォッシュ
ストラッキーノはイタリアで最も歴史のあるフレッシュチーズの1つで、ゴルゴンゾーラやタレッジョなどはこれを進化させて生まれたとされている。ディ・ヴェデセータはストラッキーノのウォッシュタイプ。ルーツを同じくするタレッジョに似ておりミルキー&クリ―ミーだけどクセも香りも大人しくてすごく食べやすい。
著者: へた釣り