目黒のさんまで鷹狩りに来た将軍様がサンマを食べた場所とされているのが茶屋坂の茶屋。目黒のさんま 菜の花 茶屋坂店は由緒正しき(?)茶屋があった近くに店を構えるさんま料理メインの居酒屋だ。新サンマの時期には塩焼きだけでなく刺身も食べられる。さんまは目黒に限る!
目黒のさんまではあるが、最寄り駅は恵比寿になる。恵比寿ガーデンプレイスから目黒通り沿いに目黒方面に向かう。1つめの信号、厚生中央病院の信号まで行くと行きすぎ。信号にたどり着くまでの途中にある狭い路地をのぞくと「やっぱりさんまは目黒に限る」という将軍様の迷言が書かれた看板が見つかる。近所の人たちを相手にこっそりやっている風の居酒屋に見えるが、それなら店名に目黒のさんまなんて謳わないはず。ちょっと入りにくい感じではあるが、臆せずに扉を開けて中に入ろう。
サンマだけでなく、三陸の魚介類を中心に東北の美味しい物を出してくれる。日本酒の品ぞろえも面白く、3種類のお酒を楽しめる利き酒セットや期間限定で入荷する日本酒なども置かれている。利き酒セットでお店に置いてある日本酒を全部試してみたが、喜祥という大吟醸がサンマとの相性が抜群で特に美味しかった。お通しには三陸産のめかぶと揚げ出し豆腐。
サンマは塩焼きとお刺身を注文した。店員さんに「塩焼きは新サンマにしますか?」と聞かれる。新サンマと冷凍されたサンマがあるようで、迷わず「新サンマで!!」とお願いする。焼きあがるまで20分くらいかかるので、ほかのメニュー(ハムカツw)を頼んで焼きあがるのを待つ。サンマが焼ける香ばしい香りがし始めたころに「サービスです」と運ばれてきたのがアルミホイルに包まれ焼かれたサンマのワタ。苦みと旨みが凄まじく、日本酒が進みのなんのって。
焼いたワタをあてに日本酒を楽しんでいると本日のメインである「新さんまの塩焼き」が運ばれてくる。きれいな目と口の下の黄色が新鮮なサンマだってことを教えてくれる。どう美味いなんて説明するのは野暮である。とにかく美味い。店には3人で行ったが、サンマの塩焼きを食べている最中はほぼ無言で黙々と箸を動かし続けた。骨だけ残して食べ終わってようやく、「美味しいね!!」と感想を言えるようになる。
続いて「新さんまのお刺身」。7月に釧路に旅行したときに例年なら水揚げが始まっているはずのサンマが今年は入荷しておらず、サンマの刺身は食い損ねていた。まさか東京で食べられるとは思っていなかったので、食べられたというだけでもう大満足。臭みはなく、脂もほどよく乗っていた。中骨は骨せんぺいにしてくれる。ワタも焼いて食べたので頭と尻尾以外捨てるとこなし!!
ほかにも東北の名物をいくつかいただく。鯨のお刺身はいまや超贅沢品だがリーズナブルな値段で食べさせてくれる。気仙沼焼きそばは麺がソースを絡める前から茶色なのが特徴らしい。上にハムエッグが乗っていた。モチモチとした麺は食べ心地が面白い。仙台油麩の卵とじは麩の内側はしっかり出汁を吸っていながらも揚げてある外側部分には硬めの食感が残っており美味!!
著者: へた釣り