「ヘルシー志向の女性が行くようなお店でよくご飯食べてますよね~」と指摘されて、そんなことは…あるな!と気付く。今日も広尾にある有機和食の店、山藤でランチをいただいく。客は9割が女性だった。野菜だけでなく肉も調味料までもこだわりを持って選んでいる健康志向なお店だ。
地下鉄広尾駅、天現寺寄りの出口を出たすぐ近くに店はある。わたみん家と中華料理の上海園に挟まれたビルの2階だ。お昼時には「山藤ごはんランチ」という赤地に白抜き文字の看板がかかっている。階段をのぞきこむとランチのメニューが出ている。この日は秋鮭の幽庵焼き、シュウマイ定食、ミックスフライ(海老、アジ、コロッケ)、山藤弁当の4種類。値段は1200円から。素材にこだわった本格和食の店のランチとしては安い。
店は4人掛けのテーブル席が5卓ほどとカウンター。1人だったのでカウンターに通される。テーブルでは広尾界隈の有閑ママさんグループがランチビールなんぞを飲みながらランチを楽しんでいる。お茶が運ばれてくる。一口すするとほうじ茶のいい香りがしてなんだか幸せ。和食らしい物を食べたかったので秋鮭の幽庵焼きを頼む。
幽庵焼きは醤油・酒・味醂の調味液に柑橘類の香りを移した幽庵地に焼いた魚をくぐらせる付け焼き。串が打たれた肉厚な秋鮭がカウンターの向こうで焼かれているのが見え、2度ほど幽庵地にくぐらせていた。皮に焦げ目がしっかりついていくのが分かる。秋鮭は身も美味しいが皮が身以上に絶品なので楽しみだ。
小鉢(玉子焼き、お浸し、切り干大根)、ご飯、赤出汁(なめこ、豆腐、三つ葉)、梅干しとお膳の上は、にぎやかで1200円以上の価値は十分すぎるほどある。小鉢の味はいずれも控えめで素材の味を楽しめる。赤出汁も味噌の味は控えめで出汁と具の美味しさをしっかり味わえる。一方、幽庵焼きは脂の乗った秋鮭の甘みと調味料の確かさを味わえる。焦げ目がついてパリッと焼きあがった皮は想像を超える超超超と3つくらい超をつけたいほどに絶品だった。梅干しは塩分多めで塩辛い。すべての料理を薄味にするのではなく、お膳の上でメリハリがあるのがうれしい。
なんだか、味の説明が長くなったが、あれも書かなきゃ、これも書いとかなきゃって気分になるお料理だった。当然、完食!
著者: へた釣り