釣りをしているとごくたまにだが、食い意地が魚をもたらしたのかもとしか思えないことがある。釣りに行く数日前に秋のこの時期に釣れるマダイを紅葉鯛と呼び美味しいらしいという情報を得た。アマダイを釣りに行ってなにかの間違いで紅葉鯛が釣れた。こんな偶然…うれしすぎるよね。
マダイほど美味しかったり美味しくなかったりの差が激しい魚は少ないのではないかと思う。まず、養殖物のマダイは正直に書くと食べるに値しないほどに不味い。安い回るお寿司屋でマダイは食べない方がいい魚の1つだ。天然であっても時期によって味が大きく変わる。美味しい時期は秋(紅葉鯛)から春(桜鯛)までで梅雨時から暑い時期に釣れたマダイは養殖物ほどではないが美味くない。
33センチの紅葉鯛をお鍋にした。マダイは頭や中骨からいい出汁が取れるので鱗と内臓以外は捨てるところがない。まずは頭と中骨だけを鍋に入れて出汁を取り、その出汁でキノコや白菜などの野菜を煮込む。この出汁で食べる野菜だけで結構幸せな気分になれる。野菜が煮えたら大きく切った身を投入。火が通ったらポン酢を少しだけ付けて食べる。皮際が美味しいので絶対に皮も食べる。
最後に頭と中骨の周りに付いた身をせせって食べる。頭の中の身は食べ忘れ注意。一番美味しい。最後に野菜くずなどをさらった出汁でラーメンを煮る。糖質オフ中なので食べられるのは箸で一すくいだけだが、鯛鍋の〆のラーメンは最高だ。麺はオカワリ禁止だが、スープはオカワリOKなので、鍋がすっかり空になるまでオカワリし続ける。
著者: へた釣り