陽のあるうちは呑まないというルールがうやむやになるのが3が日。朝からお屠蘇を飲んじゃうもんだから、この日ばかりは朝から呑んじゃう。どうせ呑むなら2017年のお正月はワイン道楽しちゃおうと決めていつもよりはちょっと贅沢な村の名前まで書いているワインを買いこんできた。
ワインの味があまり分かっているとは思えないので、取りあえずブドウの品種ごとの特徴を覚えようと1本2000円以下の新世界(チリとか南アフリカとか)の単一品種のワインを飲むことが多い。お正月くらいはちょっと張りこんでみるかと、ボルドーとかブルゴーニュなんて産地が書いてあるワインを買ってみた。さらにそのうちの2本はブルゴーニュのムルソー村、ラドワ村と、村の名前まで分かるワイン。味の違いが分かるかなぁ~。飲むときに何に注目して味わえばいいのか、メモしておく。
▼ルー・ペール・エ・フィス ムルソー 2014ムルソー村といえばミネラル感たっぷりの白ワインであるらしい。らしいというのは本でそう読んだだけだからである。ミネラル感の正体を突き止めるために、ムルソー村で採れたシャルドネで作られた白ワインを飲んでみることに。「ミルキーなバター感が出てきて青リンゴや桃を核にしたフルーツ感全開の果実味! 新鮮なフルーツのもぎたてをグラスに詰め込んだかのような贅沢な一杯」ってなことらしい。
▼ラドワ“ル・クル”ルージュ 2013ラドワ村のル・クルというのはわずか1.8haの畑であるらしい。そこのピノ・ノワールを房をまるごと発酵槽にいれる全房発酵という伝統手法で作られている。生産量が極小で超入手困難と言われると期待しちゃうわけだ。さらにロマネ・コンティで有名な生産者「DRC」の共同経営者が造るピノ・ノワール100%のフルボディワインとくれば期待するなって方が無理だよね~。
▼CH モンペラ ルージュ 2014天才醸造家が手掛けるモダンボルドー。完熟した黒系果実のアロマに魅了される、スムースでクリーミーな飲み心地。『神の雫』でのシャトー・マルゴーやラフィットを打ち負かしたメルロー80%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%、カベルネ・フラン10%で造られ黒みがかった美しい紫色。黒系果実のジャム、ヴァニラ、カカオ、メントールの香り。アタックは力強くも柔らかく、口一杯にボリューム感が広がる。バランスが良く、繊細さもあり調和の取れたワインらしい。
▼カバ カイルス ブリュットペネデスの自社畑で手摘みした3種のブドウをブレンド(マカベオ25%、パレリャーダ25%、チャレロ50%)し、地下10mのセラーにて12ヶ月熟成させてある。金色を帯びた輝きのあるイエローに繊細な泡が美しく織りなす。香りはフルーティでフレッシュ、柑橘系のソフトなノーズの若さあふれる印象。口に含むと軽快でバランスのよい酸が心地よい。まろやかでエレガント、甘い果実を思わせる。オレンジのような甘やかな余韻が響き渡る。
▼CH セイランス 2014ネットで検索してもあまり情報が出てこないボルドーの赤ワイン。「ボルドーの赤とは思えないほど軽く、香りも味わいもブルゴーニュのピノ・ノワールに近い感じ。フルーツジャムとスパイスのアロマを纏い、フルーティさと苦みのバランスが絶妙」と説明されていた。ボルドーなのでカベルネ・ソーヴィニヨンメインと想像していたが別品種かな?
▼シャルドネ・ピエール・ド・ランブリー緑がかった輝きのあるゴールデンカラー。アプリコット、洋ナシ、ほのかに白い花やくるみのニュアンスも。偉大なるブルゴーニュのように樽のバニラもきれいに溶け込んでいる。口に含むとまろやかでフレッシュ、フルーティなアロマとバランスがよくチャーミングなワイン。……ニュアンスとかテロワールとか言われると何のこっちゃとなるが説明されているアロマを探してみよう。
▼セルメーニョ・ティントスペインのトロ地方で作られたティンタ・デ・トロという品種のワイン。ティンタ・デ・トロは初耳だったが、調べてみるとテンプラニーリョのことらしい。濃いチェリー色に青みがかった紫色のエッジ。 ストロベリー、チェリー、ラズベリーなどのレッド系フルーツの香りにプラムやブラックベリーなどのブラック系フルーツの香りが絡む。フレッシュでかつリッチ、香り豊かで余韻も長い。テンプラニーリョ特有のコクとタンニンもほどよく感じられる。
▼セント・チャールズ アウスレーゼ 2011アイスワインと同様に氷点下7度で収穫したが、一部のブドウが凍らなかったため、アイスワインに認定されなかったという訳ありワイン。実際の中味はアイスワインそのもので、香り、ブドウの糖度が凝縮されたアイスワインに引けを取らないそうだ。香り高くリッチで、繊細なフルーツやハチミツのような豊かで魅力的な香りが特徴で、豪華な甘味のフルボディのデザートワイン。
▼ボワ・ロワイヤル ボルドー 2014透き通った果実感とボルドーらしい端正なバランス、スムースな飲み心地。若いボルドーにありがちな、アルコール感や酸っぱすぎる、まだ味わいが良く読み取れないなんて心配は無用ということらしい。シュヴァリエ(騎士号)を受勲している業界きってのバイヤーをして「ここ数年買い付けた中で、最高の1本」と絶賛していたそうだが…この手の煽りはどこまで信じていいのやらな1本だ。
著者: へた釣り