東京駅周辺のアンテナショップ巡りをして手に入れた国産チーズ6種類を食べ比べ。欧州で作られたチーズは本場の物で日本のチーズは…と考えるのは間違い。クセが強く個性的なチーズは確かに輸入物に譲るが、食べやすく牛乳好きならうれしい味のチーズが国産の物にはたくさん。
北海道産のチーズを中心に、秋田県や山梨県の物まで。白カビ系が多いのはミルクそのものの良さを感じやすく香りが強くないので日本人に馴染みやすいからだろうか? ハード系のチーズはゴータチーズに似ていることが多い。鎖国していた江戸時代に交易があったオランダから伝わったチーズがゴーダと言われており、日本のチーズ作りのお手本になったから? そのあたり、勝手は想像を働かせながら国産チーズを並べてみるのが面白い。
(干しぶどうから時計周りに)
しっとり厚造り 田園ブリーチーズ
北海道(長沼あいす) 牛 白カビ
直径よりも高さの方が高い、まさに「厚造り」。肉厚にすることでより一層しっとりとした風味を作るらしい。シルクのようなきれいな白カビに覆われており、ブリーの中でも特にお上品なお味という感じだった。まだ若かったらしく少し硬めで香りも弱めだったので、もう少し熟成させてから食べるべきだったかも。
スカモルツァ 熟成・燻製
北海道(チーズ工房 白糠酪恵舎) 牛 パスタフィラータ
外皮のしっかりスモークされた味わいと内部の生地の白くミルキーでいて少し歯を押し返すような弾力のある食感のコンボがなかなかに楽しいチーズだった。スカモルツァは焼くとさらに美味しいと聞いたので焼いても食べてみたが、表面に焦げ目がつくくらい焼くと香ばしさがましこのチーズの良さが引き立つように感じた。
大地のほっぺmini
北海道(チーズ工房 NEEDS) 牛 セミハード
しっとり&クリーミーな食感の中に牛乳の味がしっかりと感じられる。ほっぺのように柔らかいミルクのお餅をイメージして作られていたそうで、セミハードなのにしっとりとした食べ心地で表皮は白カビに覆われているのでカモンベールに似る。セミハードらしい香りとミルクのコクと白カビらしい食べやすさを両立させたチーズという理解でいいのかな?
きよさとゴーダチーズ
山梨県(清里ミルクプラント) 牛 セミハード
非遺伝子組み替え作物による配合飼料と有機質肥料を主体に用いて栽培された粗飼料で育てられた乳牛から搾られた乳で作られたゴーダチーズ。ゴーダらしいしゃりしゃりとした食感があり、その一粒一粒に濃厚なミルクの味が閉じ込められているようで口の中から消えていくのがおしい!と感じる絶品のゴーダだ。
鶴居シルバーラベル
北海道(鶴居村 酪楽館) 牛 セミハード
まるやかな口当たりでナッティな香りが楽しいゴーダチーズ。熟成期間80日以上の物がシルバーラベルらしい。生乳のよさが凝縮されたようなチーズでバターを食べているような気分を味わえる。もっと味が濃厚になっているであろう熟成期間6ヶ月以上のゴールドラベルを食べてみたくなる。
カマンベール アヴァ
秋田県(明通りチーズ工房) 牛 白カビ
今回食べた6種類の中で最も面白味があったのがこれ。「誰もがたべやすいチーズ」を目指し作られたアヴァに白かびをつけて熟成させたのがカマンベール アヴァらしいのだが、納豆のような香りが濃密で生地はウォッシュチーズのようなやわらかさ。しっかり熟成されているらしく苦みも少しありで曲者な感じ。でも、もう1回買いたい国産チーズのNo.1はこれかもしれない。
著者: へた釣り