平成の世の名物に不味い物なし。少なくとも地元の特産品の代表として東京のアンテナショップに置かれている名物に関しては当てはまると思う……。アンテナショップを巡るお散歩道楽のテーマをちょっぴり微妙そうな物集めに設定してみた。平成の世の名物に不味い物…あるかなぁ?
基本的なスタンスとして、商品として売られている物に口に合わない物はあっても不味い物はないと信じている。10人の人が食べて10人が…いや5人が不味いと感じた物は不味いということが商品価値になっていない限り、市場から消えてしまうと思う。口に合わないという予感がする物をあえて買っちゃうアンテナショップ巡り。レルヒさんのカレー納豆に味をしめての道楽だが……道楽にもほどがある?
なんだかおかしなことになっていたのがレトルトカレー。イメージ重視で割とお硬い品ぞろえをしているアンテナショップの片隅に…例えばお香の匂いが立ちこめる京都館<に「かれぇどすえ」「おつけもんとカレーどす。」。たけのこ入りだったりしば漬け付きだったりするので名産品には違いないが……。広島ブランドショップTAUも地元の特産品を世に広めるアンテナショップとして非常に王道なお店なのだが、広島の人はカープが絡むと人格が変わっちゃうようで「黒田の男気カレー」。辛さと旨さも本格派と書いてあるが黒田である必然性は全くなさそう。ほかにも「鯉口醤油」や駄菓子の「カープかつ」など、カープ関連の一角だけはおかしなことになっていた。大河ドラマで真田オシのわかやま紀州館いこらにも真田の里カレーあり。富有柿入りだったり熊野牛入りだったりするみたいだが……むしろ小南農園のみかんカレーの味の方が気になる。
三重テラスの「忍者のお漬物」は思わず買ってしまった。なんでも忍者が保存食、携行食として持ち歩いていた「全国でも珍しい昔から今に伝わるお漬け物」らしいのだが、持ち歩いていたと断言するのではなく、「持ち歩いていたとか…。」と少し弱気な文言が好印象www 奈良では「だいぶつなっとう」を買った。「だいぶつ納豆」という納豆は熨斗食品という会社が作っていたが倒産。その後、「大仏納豆」になったり「だいぶつなっとう」になったりしているが、ちゃんと東大寺の許可を得て作られている納豆であるらしい。大粒の納豆が大仏さんの頭に似ているからではない。世界遺産級と言われて買っちゃったのが兵庫の「ひめじひねポン」。卵を産まなくなった雌鶏をひね鶏というらしく、老いて身が硬くなったひね鶏を炙ってポン酢和えにした物。噛みごたえがあってお酒の当てにいいらしい。特産品なのにあえて上質な鶏ではなくひね鶏なのが気に入ったので食ってみる。
ほかの魚の漁獲量が落ちているせいかサバが特産品としてスポットライトを浴びつつあるんだろうか? 岩手のサバは「サヴァ」? 国産サバをオリーブオイル漬けした物らしく「キッチンに飾りたくなるパッケージ」が特徴であるらしい。サバ缶がらみですご~く気になったのが長野の「サバタケ」。ネマガリダケという細いタケノコとサバ缶で作る信州味噌の味噌汁のようで、北信濃のソウルフードであるらしい。残り汁で作る「サバタケカレー」も売られていたが味噌汁でカレー作るのかな? 滋賀にもサバがっ!! 「焼さばそうめん」。長浜市周辺の湖北地方に伝わる郷土料理で焼いたサバを甘辛く煮て、さらにその煮汁でそうめんを湯がいて作るらしい。当然、相当濃い味になり、麺類として主食になるのではなくご飯のおかずとして食べられるそうだ。
著者: へた釣り