散歩というともっと文化的だったり、自然豊か場所でと想像しがちたが人混みが大好きで欲にまみれた人なので繁華街を歩く。先週末は新宿へ。お目当ては新宿みやざき館KONNEだったが、物はついでと10年ぶりくらいに歌舞伎町へ。得意な街ではないが、その奥に行きたい場所がある。
土日のうちのどちらかは釣りに行き、残る1日は2万歩以上を目指して歩くことにしている。この日も渋谷で釣り具店巡りをとやってきたのだが、毎週似たようなコースなのでどうも面白味がない。明治通り沿いを新宿目指して歩いてみることに。目的は未知の納豆と出会うことと、アンテナショップ巡りで行き損ねていた新宿みやざき館KONNEに行ってみること。目的は2つとも達成した上に思わぬ余禄も。すっかり気分がよくなって歌舞伎町まで散歩コースを延長してみたよ。
渋谷から原宿まではいつもよく歩いているコースだが、竹下通りと超えると急に人通りが少なくなる。住所は千駄ヶ谷。原宿の次は代々木だと思い込んでいたので道に迷った?と不安になったが明治通りの一本道である。迷いようがない。中央線の線路の高架が見え、それをくぐってしばらくいくと新宿高島屋タイムズスクエアの入り口が見えた。地下の食品売り場で納豆を物色すると、「創業60周年飛騨納豆」を発見。輸送コストをかけて東京まで運ばれてくる納豆にハズレはない理論でいけば美味しいはず。もう1つ「武蔵府中納豆けやき」という未知の納豆に出会う。登喜和食品の納豆はよく見かけるが高級感のある包装紙にくるまれたけやきは初めて見た。レアな感じがしたので少々高めだったが購入した。
百貨店の地下食品フロアにはもう1軒行った。伊勢丹新宿店にはフロマージュヒサダというパリにもお店を構えるチーズ専門店が入っているのでそこが目当て。以前紹介したブリ・ド・モー・オ・トリュフもここで買った。試食もさせてくれるのでのぞきに行くのが楽しみなチーズショップだ。この日はまだ散歩の続きがあったのでチーズは買えず。代わりにチーズのお供になるクラッカーとクルミを買った。
高島屋と伊勢丹の間に行ったのが高島屋のほど近くサザンテラスにある新宿みやざきKONNE館。宮崎県にはダイワファームという日本でも有数のチーズ工房があり、そこのチーズが入荷していないかをチェックしに行ったのだが、取り扱いはないようだ。その代わり乳製品売り場で見つけたのが「甘乳蘇(かんにゅうそ)」という古代に食べられていたチーズの原型。大和朝廷が置かれていた飛鳥地方で作られていた牛乳を煮つめて作るシンプルな乳製品で、日本に伝わったチーズの元祖とされている。奈良ではなく宮崎県で蘇なの? もしかして天孫降臨神話に関係が?とこじつけもいいことを考えたがそこまで大げさなものではなく、中西牧場にて美味しいから作られているようである。
さらにサラダに少しだけ混ぜると食感の変化を楽しめる「ゴボチ」が美味しそうだったので購入して勘定を済ませると「1000円で1回福引が引けるので2階でどうぞ」と促される。2階は焼酎売場になっている。宮崎の焼酎というと芋あり、麦あり、蕎麦あり、米ありと九州各地の焼酎文化の境界になっている感じ。福引の商品も1等百年の孤独(麦)、2等赤霧島か茜霧島(芋)、3等雲海黒麹(蕎麦)とお酒好きにはたまらない。クジ運が悪い人なのであまり期待せずにガラガラを回すと青い玉がポロリとこぼれる。店員さんがあっと驚いてすぐに鐘を激しく振りまわすもんだから何事かとwww 3等の雲海黒麹をもらえた。小さい頃から何度もガラガラを回した記憶はあるが当たったの初めてかも。新宿の宮崎県はすごくいい所だとすっかり機嫌がよくなる。
いただいた焼酎と納豆を抱えて新宿をウロウロする。仕事のリサーチを兼ねて中国人観光客向けの免税店を回ったり居酒屋のメニューを確認しながら少しずつ歌舞伎町に近づいていく。あまり好きな街ではないし、正直いい目に遭った記憶がない街でもあるが、ここを通り抜けないと行けない場所に行きたい場所がある。その昔は歌舞伎町でカメラを構えてはいけないなんて脅されていたがその頃に比べれば街はいくらか浄化されているようで観光客にまぎれて路地裏などの写真を撮ってみた。ホテルに一人で入っていく瞬間の女性の眉宇に険しさを湛えた表情など…下世話だし当事者にはなりたくないが見ている分には面白い街ではある。
お目当ての場所は立ち並ぶホテルの横の商業施設の地下1階にある。上州屋・新宿店である。歌舞伎町まで足を運んでおいて、時間も18時にならんとしているのに散歩の締めくくりが釣り具屋とはなんとも色気のない話であるが釣り具店で少し買い物をして本日のお散歩終了。2万2000歩コースだった。帰りは歩く時間も体力もないので電車に乗って帰る。上州屋は渋谷の2店舗、神田駅前店によく行くが、新宿店は売り場がゆったりしていて腰をすえて掘り出し物がないかと探すと面白いかも。
著者: へた釣り