納豆道楽がちょっぴり行き詰っている。徒歩圏内で買える物は全部食べ尽くした。都内のアンテナショップの納豆も制覇した。新しい納豆との出会いは物産展などで運よくしかなくなっている。未知の納豆が売っている店の心当たりは1軒だけあった。池尻大橋の納豆工房せんだい屋だ。
せんだい屋は納豆にハマったことを知った友人から「食べ放題の店が池尻大橋にあるよ~」と教わっていた。行ってみようかと何度か重い腰をあげかけたのだが、食べ放題といってもご飯とみそ汁があって納豆が食べ放題(790円)なわけで糖質オフしてご飯抜きで納豆ばかりを腹くちいまでオカワリするのはどうかと思い踏みとどまっていた。未知なる納豆を食べたいという道楽心を抑えられず、渋谷への釣り具屋巡りの散歩から足を延ばして池尻大橋まで行ってみることに。目的は食い放題ではなく、納豆を買うこと。
上州屋・渋谷店の前の道を三軒茶屋の方向に進んでいく。首都高速の下をとことこ歩いていくだけなので迷いようがない。道玄坂上を超え旧山手通りを渡った辺りがちょうど道半ば。そのまま進むと大橋ジャンクションがあり、池尻大橋の駅の入り口が見つかる。目的のせんだい屋は駅からさらに3分くらい進んだところにある。大きな幕に店名が大書してあり、見逃しようがない。納豆だけでなく、納豆ドーナツや納豆バウムなども売られており時間的におやつ時だったのでイートインではそれらを食べている人の方が多かった。
納豆は山梨県の工場から直送であるらしい。スーパーなどで売られているパック入りの物からわらづと入りの物、わさび味、ラー油味などの変わった納豆など結構な種類が売られていたが、すべてを買うわけにはいかない。1日1個ずつ食べるとして消費期限から逆算して無駄にならない個数を計算する。買っていいのは6個まで。せっかく来たからには一番高いのを買ってやろうと決める。今回買った物が美味しくなければおそらく二度と来ることはない。高いと言っても納豆なので知れてもいる。
せんだい屋のお品書きに書かれている前から5つ、「あけぼの大豆納豆」「富士の青豆」「富士の秘伝」「八ヶ岳」「北のふりそで」をまずは買う。厳選した大豆の味を最大限に引き出すように工夫した納豆ということであった。食べたいけど食べられない納豆食べ放題ではこの5種類は提供されていないのも購入を決めたきっかけ。先に買った5つがすべて大粒だったので残る1つは「甲斐駒 小粒」にしてみた。
ほかにも納豆鉢(力が入れやすいように取っ手付き? この中で掻き混ぜると味が変わるのだろうか?)や納豆せっけん(どんな香りがするのやら……)、特大こんにゃくが気になったが衝動買いは控える。買った納豆が美味しければきっとまた来る。そのときまで欲しいなぁ~という気持ちが持続していたら買うことにすればいい。
著者: へた釣り