ちょっと贅沢すぎるかなぁと反省しつつもイタリアやフランスの人気チーズを少しずつ10種類も盛ってみた。いろんな味を1皿で楽しめて大満足。妻からは「そんなに食べたら太るよぉ~」と脅されるが、チーズの脂肪は太りにくいと信じたい。たまにはこんな贅沢もいいかなぁっとご満悦の一皿。
日本橋~銀座のデパ地下巡りでゲットしたのがEATALYのチーズ3種の盛り合わせ。牛、山羊、羊の乳を混ぜて作られるラ・トゥールというフレッシュチーズを試食させてもらうと山羊乳の酸味とさわやかさが前面に出てはいるが牛乳のミルキーな味わい、羊乳の甘さやコクなどが混然と感じられて面白かった。本当は1個丸々欲しかったのだがさすがに贅沢が過ぎるのでラ・トゥールも入っている3種のチーズ盛り合わせを買う。結果的にはこれが正解。酔っぱらいチーズのブラ・チュック、人気青カビチーズのゴルゴンゾーラ・ドルチェをプラトーに加えることで華やか&贅沢なチーズプラトーになった。
イタリアの人気チーズといえばパルミジャーノ・レッジャーノを入れないわけにはいかないのでかちわり状にして追加した。フランスチームは灰かぶりチーズのエズィ、ブルゴーニュ生まれの樽型シェーブルのトノー、無殺菌乳から作られた濃厚白カビチーズのシャウルスなど個性派ぞろい。チーズ道楽やっててし~あ~わ~せ~。
1.ブラ・チュック
イタリア 牛乳 セミハード・ハード
イタリア北西部のピエモンテ州で作られているブラというチーズを果実味豊かなバルベラ・ダルバという赤ワインに漬けた物。ワインの香りがほどよく移っており、バルベラ種のワインの特徴である酸味もしっかり感じられる。ブラ・チュックはこの地方の方言でブラの酔っ払いという意味らしい。
2.ゴルゴンゾーラ・ドルチェ
イタリア 牛乳 青カビ
三大青カビチーズの1つに数えられるゴルゴンゾーラにはピカンテとドルチェがある。ピカンテは青カビの刺激強め。ドルチェは青カビ控えめ。イタリアでもドルチェの方が主流になっているそうだ。ミルクの甘み、青カビの刺激、少し強めの塩加減がうまく調和しており、バランスがよく食べやすいように感じたが、ピカンテの方が個性的で好みかも。
3.トム・ド・モンターニュ
フランス 牛乳 セミハード・ハード
トムは小型のチーズのことを指すのだが、このチーズは10キロもあるのでトムと呼ぶのがふさわしいのか、どうか? 表皮がさまざまな色のカビに覆われ飾り気がないのはトム・ド・サヴァワにそっくりではある。ナッティな香りがし、しっとりとした生地はミルクの甘味があって飽きの来ないお味のチーズだ。
4.シメイ・クラシック
ベルギー 牛乳 ウォッシュ
トラビスト修道院で作られるシメイはビールで表面を洗った物を何種類か食べたことがあるが、クラシックはビールでではなく塩水で表面を洗って4週間熟成させた物。シメイ・ドレやシメイ・ア・ラ・ルージュと食べ比べることでビールがチーズの味にどう影響しているのかが分かる。クラシックはミルクの甘味が感じられる素直な味わい。
5.パルミジャーノ・レッジャーノ
イタリア 牛乳 セミハード・ハード
説明不要?なイタリア産チーズの王様。パメザンチーズって呼び方の方が日本では通りがいい。短い物でも18カ月、長い物だと5年以上熟成されるので水分が抜け切って超硬質でじゃりじゃりな食感。噛めば噛むほどに旨味が出る。ナッティで甘い香りを楽しめる。かちわり状にして食べるのが一番美味しいと思う。
6.ラ・トゥール
イタリア 混乳(牛乳、山羊乳、羊乳) フレッシュ
牛乳、山羊乳、羊乳を混ぜて作られるフレッシュチーズで熟成の若いうちはさっぱりとしたヨーグルトのような味わいで山羊乳の酸味とさわやかさが前面に出ている。熟成が進むと牛乳のミルキーさ、羊乳の甘みやコクが増してくるそうだ。もちろん最初から3種の乳の特徴が混然となって感じられるので口の中でゆっくり蕩けさせて楽しみたい。
7.エズィ・サンドレ
フランス 牛乳 ウォッシュ
19世紀ごろにウォッシュチーズの産地として有名なエポワス近郊の村で作られていたチーズを復活させたのがエズィ・サンドレ。特徴はその熟成方法で樫の木や葡萄の木から作られた細かい灰の中に埋めて熟成される。生地はトロトロでミルクの旨味が濃縮された感じでナッツのような香りがする。表面の灰にも旨味があるので剥がずに食べるのがオススメだ。
8.トノー
フランス 山羊乳 シェーブル
ブルゴーニュで作られている円筒型のシェーブルチーズ。トノーは樽の意味。同じ場所で作られている有名な山羊乳チーズのシャロレを少し小ぶりにした物。表面は少し黄味がかっているが、生地は白くてキメの細かい。山羊乳らしい甘みと酸味を楽しめる。春らしいさっぱりとした味わいがうれしい。
9..シャウルス・フェルミエ
フランス 牛乳 白カビ
シャ(ネコ)とウルス(クマ)の2匹の動物が街の紋章だったシャウルスという小さな街で作られていたというのがその名の由来というエピソードを知っていつかは食べてみたいと思っていたチーズの1つだ。無殺菌乳で作られたフェルミエは酸味が強く感じられ少しパサパサとしたフレッシュチーズのような口当たり。ミルクの甘味も感じられ非常に食べやすい。
10.ブルー・デュ・ヴェルコール・サスナージュ
フランス 牛乳 青カビ
前夜に搾って温めた殺菌乳とその日の朝に搾った無殺菌乳を混ぜて作られているためむっちりと弾力のある生地になるようだ。ミルクの甘みが強く塩味も控えめ。青カビの刺激まで超マイルドなのでブルーチーズらしさはない。ゴルゴンゾーラ・ドルチェに比べてもおとなしい感じで、そのまま食べるよりくだいてサラダに入れたりすると美味しいかも。
著者: へた釣り