モッツァレラを自宅で作って大人の夏休みの自由研究にしようなんて50歳のおっさんらしからぬことを思いついたが、もう1つ自由研究らしきことを進めていた。北海道の白カビチーズ、シマエナガの熟成実験だ。目標としていた熟成日には食べ頃に。ちょうどよい感じに仕上がり実験大成功。
2個手に入れたシマエナガのうち1個は冷蔵庫の野菜室から出さずにもう一方は好みの熟成具合になるように毎日数時間ずつ室温に戻して熟成を進めてみた。そうすることで熟成の進み方をコントロールでき、食べたい日に食べ頃にすることができるという知識はあったが、実際にやってみたのは初めて。白カビ部分に茶色(藁色)の部分が混じりだし、鼻を近づけると白カビチーズらしいキノコの香りがし始めたのでそろそろ食べ頃と判断し、熟成を進めた物と野菜室に放置した物を比べてみた。
おそらく同じ日に製造され、同じ日に消費期限が設定されている2つのチーズが全く状態が違う物になった。香りが全く違うし、熟成を進めなかった物は表皮の白カビの状態もほぼ真っ白のまま。なんといっても一番の違いはその表面を軽く押してみたときの感触だ。白カビチーズは熟成すると表皮に近い部分から生地がドロリと蕩け始める。表皮に近い部分がドロドロになり生地の芯がなくなったら食べ頃だ。上部は既に中央がくぼみ始め、側面も柔らかくなり押すと凹むようになっている。
ナイフを入れて切ってみると…予想通り、ドロリと生地が溢れだす。この部分はミルクの旨味が濃縮されており特別に美味い。熟成が若いうちはただ生地を覆い包むだけの表皮に過ぎない白カビ部分もマッシュルームの香りがし少し苦みのある味になる(この苦みは不要という人もいるが…その場合は表皮を剥いで食べよう)。熟成が若いうちは物足りない感じがする生地の中央部までしっかりミルクの味を楽しめる。実験という意味では熟成を進めてないシマエナガも切って内部の状態を比べてみるべきなんだろうけど……もったいなくてできなかった。今から熟成させて来週食べ頃に仕上げたい。
著者: へた釣り